クロダイ

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クロダイの成魚.チヌとも呼ばれ釣りの対象魚として人気が高い.(鹿児島県南さつま市; 撮影: 鮫島裕貴, Aug. 17, 2019)
クロダイ(広島県呉市倉橋島; 撮影: 清水,Jun., 2005)

クロダイ Acanthopagrus schlegelii

分類

脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 条鰭綱 Actinopterygii > スズキ目 Perciformes > スズキ亜目 Percoidei > タイ科 Sparidae > クロダイ属 Acanthopagrus > クロダイ Acanthopagrus schlegelii

解説

  • 北海道以南の岩礁域や藻場,河口域などに幅広く分布.
  • 広島県では,瀬戸内海沿岸に広く分布し,沿岸漁業や遊漁の対象として重要.太田川では,小型のものが河口から約8 kmの空き大橋付近の下流域まで遡る.
  • 体色は背側が暗灰色,腹側が銀白色で鰓蓋上縁部に黒色斑を持ち,また幼魚時は6~7本の暗色黄帯を備えるが成長と共に不明瞭になる.背びれは大きく膜でつながる.
  • 大きくなるにしたがって性転換を行う魚として知られている.体長約10 cmの頃はオスとして成熟し,約20 cmの頃は両性の性質を持ち,25 cmを超える頃にはメスが多くなる.
  • 体長60 cmほどになり,磯釣りの対象魚として人気の他,定置網・吾智網,刺網などで漁獲され刺身・塩焼きで賞味される.
  • また広島県では,産後に「チヌの吸い物」を食べ悪血を下ろすという風習もあるなど,西日本を中心に馴染みの深い魚種である.
  • 沿岸に多く,汽水域や淡水域によく現れ,底生動物や小魚を食べる.
  • 産卵期は4月から6月.沿岸の生息場所付近で浮遊性の卵を産む.
  • 栽培漁業の一環として種苗生産され放流されている.

天然記念物・RDB

  • 該当なし

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

広島県方言

  • ちぬ

関連ページ

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1994. 広島県の淡水魚, 増補改訂版. 239 pp. 中国新聞社, 広島.
  • 中坊徹次(編). 2013. 日本産魚類検索 全種の同定, 3版. xlix + xxxii + xvi + 2428 pp. 東海大学出版会, 秦野.

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