ハマゴウ

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > デジタル自然史博物館 > 植物メインページ > 郷土の植物 > 維管束植物 > ハマゴウ | 広島県の植物図鑑 / 和名順

ハマゴウ(広島県廿日市市宮島町; 撮影: 向井誠二, Mar. 7, 2012)
ハマゴウの花(広島県廿日市市宮島町; 撮影: 向井誠二, Mar. 7, 2012)
展葉前のハマゴウ(広島県廿日市市宮島町室浜 Miyajima Isl., Hiroshima, SW Japan; 撮影: 坪田博美, March 26, 2015)

ハマゴウ Vitex rotundifolia L.fil.

シノニム

その他

分類

維管束植物門 Tracheophyta > 被子植物上綱 Angiospermae > モクレン綱 Magnoliopsida > キク上目 Asteranae > シソ目 Lamiales > シソ科 Lamiaceae > ハマゴウ属 Vitex

旧分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > クマツヅラ科 Verbenaceae > ハマゴウ属 Vitex

解説

  • 暖地の日当たりの良い砂浜などの砂礫地に生育する小低木.
  • 茎は這い,高さ約10-30 cm程度.
  • 葉は対生につき,やや肉厚で柔らかく,長さ3-4 cm程度の楕円形-広卵形.葉の表面はやや白みを帯びた緑色で,裏面は灰白色の短毛が密生する.
  • 一般的に常緑と記述されるが,広島県では落葉するのが一般的.
  • 花は唇花で円錐花序.花弁は青紫色で,中程に白色の部分がある.精油分を含み,花を含めた植物体全体に芳香がある.
  • 果実は球形で,直径5 mm程度,秋に黒く成熟する.
  • 果実は蔓荊子(マンケイシ),茎葉は蔓荊葉(まんけいよう)と呼ばれる生薬.
  • 漢方では滋養強壮,鎮痛,鎮静,解熱,消炎作用をもつとされる.浴湯料として用いられる場合もある.
  • 和名の由来は,植物体全体に芳香があるため.枕元に置くと安眠できるなど,古くから香として用いられていたことから「浜香」と呼ばれ,これが転じたとされる.また,「浜未浜比(はまはひ)」「浜這」が転訛したともされる.
  • 属名Vitexは,カゴを編んだことから,結ぶという意味のvieoに由来.種小名のrotundifoliaは円形の葉の意味.
  • ハマゴウは海岸の砂礫地に根を張り,幹枝をはるため,暴風時に海岸の砂浜の流出を防ぐ役割もある.近年,海岸の開発の影響で,ハマゴウの群落が激減している.
  • 琉球列島以南には,三出複葉で,幹が立ち上がり,花がやや小降りのものがあり,ミツバハマゴウと呼ばれる.

花期

  • 花期は7-9月.
  • 宮島では8月上旬が一般的.

分布・産地・天然記念物

分布

  • 東北地方南部以南の本州から四国,九州,沖縄まで自生し,東アジアから東南アジア,オーストラリアまで広く分布する.
  • 砂礫地の海岸に自生する海浜植物の一種であるが,淡水の琵琶湖にも生育する.

産地

天然記念物

標本 (標本に関する注意事項)

  • 宮島(rn-6490),広島市金輪島(mt-6982),倉橋島(mt-9200),川尻町海岸(mt-12207),上蒲刈島(ss-8903),安浦町柏島(yy-4298),内海町横島(sf-2777),尾道市満越(sf-2835),福山市走島(yy-12936)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • ハマゴオ

英名

広島県方言

備考

  • 環境庁コード: 47960

DNA data/barcording

cp rbcL gene

cp psbA-trnH region

nr ITS region

関連ページ

文献(出典) (文献に関する注意事項)

引用文献


広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > デジタル自然史博物館 > 植物メインページ > 郷土の植物 > 維管束植物 > ハマゴウ | 広島県の植物図鑑 / 和名順