廣島大學櫻曼荼羅 桜の基礎知識

提供: 広島大学デジタル自然史博物館 植物
移動: 案内検索

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 廣島大學櫻曼荼羅‎

目次

廣島大學櫻曼荼羅(広島大学桜曼荼羅,ひろしまだいがくさくらまんだら)―東広島キャンパスに咲く桜のいろいろ―

(撮影・製作:故・青山幹男博士)

桜の基礎知識

バラ科植物

サクラはバラ科植物(Rosaceae)に分類されます。バラ科植物は、シモツケ亜科(シモツケ属、ホザキナナカマド属、ヤマブキショウマ属など)・バラ亜科(バラ属、キイチゴ属、オランダイチゴ属など)・ナシ亜科(ナシ属、リンゴ属、ビワ属など)およびサクラ属を含むサクラ亜科(サクラ属、モモ属、アンズ属、スモモ属など)の草本や木本を含む大きなグループで、有用植物を多く含んでいます。近年の分子生物学の進展に伴い、従来の分類学が再編成されつつあります。

サクラ属植物

サクラは従来、スモモ属(Prunus)に含まれる種として扱われてきましたが、分子系統学の立場から、スモモ属から独立させてサクラ属(Cerasus)として細分化して分類されているので本書ではこの新しい分類に従いました(大場2007, 「新日本の桜」山と渓谷社)。冬には葉を落とす落葉で、10m内外の高木となり、硬い木化した幹となり桜材として建材や家具に利用されます。また、樹皮には独特のつやと模様があり、茶筒などの民芸品が作られます。葉は単葉で托葉・葉柄・葉身の3つの部分からなり、枝から互い違いに互生します。

サクラの花のつき方と花の構造

花を生じる枝にどのように花が作られるかその状態を花序といいます。オオシマザクラでは、花を生じる枝が何度か分枝してその先にそれぞれ1個ずつ花が咲いて、全体が房状になりこれを散房花序といいます。オオヤマザクラやセイヨウミザクラ(いわゆるサクランボ)では、花を生じる枝の基部に複数個の花を咲かせますが、このような咲き方を散形花序といいます。サクランボを食べる時に観察して欲しいのですが、サクランボは、1個ずつ独立したものもありますが、多くは基部で2個ずつくっついており、まれに3個くっついたものがあり、これがセイヨウミザクラの花序です。

サクラの花は、基本的に がく片・花弁・雄しべ・雌しべの4つの器官からなります。5数性と言って、がく片・花弁・は各5個、雄しべは5の倍数個が基本の数となっています。がくの基部は癒合して筒状(がく筒)になります。花弁は5枚がそれぞれ独立して離れており(離弁花)、花弁の先端部分は切れ込んでいます。品種によっては、本来の雄しべが変形して花弁のようになり、いわゆる八重咲きとなって花弁が10、15….(ふつう5の倍数が多い)となり、キクシダレのように60以上の花弁をもって花が球形になったものを菊咲といいます。花弁の色は白色〜紅色が基本ですが、品種によっては、ギョイコウは黄緑色、やウコンは黄色など変わった色のものもあります。ソメイヨシノの花弁は受精後にがく片の癒合部から極めて離れやすく、1枚ずつバラバラになって風が吹くといわゆる花吹雪となります。園芸品種のサクラの果実は、熟すと7-8mm程度の球形で黒紫色となり、鳥は好んで食べますが、口に入れると苦くてとても食べられません。試してみてください。

サクラの野生種と園芸品種

サクラの仲間は、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸の北半球に広く分布し、世界では約100種の報告があります。日本では10種の野生種が分布しています。野生のエドヒガンには枝垂れの遺伝子を持つものがあり、これをもとにして交配により園芸種のシダレザクラの系統が作出されたり、育種の親に使われ、まとめてエドヒガン系栽培品種と呼びます。一方、栽培品種の一部をサトザクラ系品種と称していますが、これらはオオシマザクラを親として育種されたものと考えられます。また、中国・台湾に野生し、日本に移入されたカンヒザクラをもとにして育種されたカンヒザクラ系栽培品種もあります。


広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 廣島大學櫻曼荼羅‎