東広島キャンパスの生き物

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キャンパスで現在見られる動物の情報です.名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).写真はクリックすると拡大します.

2020

11月

  • 2020.11.14-22 初冬の蛾たちです.ウスタビガはキャンパスで最も遅い時期に出現するヤママユガで,枯葉のような翅に,半透明の小さい円紋が特徴です.チャエダシャクはオスの触角が大きい櫛状になっているのが特徴です.(翅の模様はリンク先で見ることができます.)ニトベエダシャクは模様が独特で,他に似た種類が見られません.


東広島キャンパスでは初冬の象徴である雪虫が飛んでいます.雪虫は季節によって宿主を変えるアブラムシ類で,初冬になると蝋物質をつけた有翅成虫が見られます.学内は主にヒイラギハマキワタムシケヤキヒトスジワタムシが生息しています.

モズが杭や枝などにとまって「キチキチキチ」と鳴く姿が見られます.過眼線(目の後方にのびる線)が黒ければオスで、そうでなければメスです.本種は冬季に昆虫やカエル,トカゲなどを捕らえて樹木の枝や棘に刺す「はやにえ」を行います.今回ははやにえにされたアオマツムシが見られました.

冬季にキャンパスで見られる猛禽類です.ハヤブサは後二種とは異なりハヤブサ目に属しており,開けた環境で他の鳥を狩ります.ノスリトビより一回り小さいタカで,白っぽい羽毛と腹部の褐色帯が特徴です.農地でネズミやカエルなどを狩ります.ハイタカはハトより少し大きいくらいの小型のタカで,冬季のキャンパスでは最もよく見られる猛禽類です.

ダンゴムシは学内で主に二種類が見られます.植木鉢の下や花壇に普通に見られるオカダンゴムシと,森林の湿潤な落葉下などに見られるタマコシビロダンゴムシ属(シッコクコシビロダンゴムシ)です.オカダンゴムシは明治期にヨーロッパから移入してきたとされる外来種ですが,タマコシビロダンゴムシ属は在来種とされています.前者は成体で体長10 mmほどの大型種ですが,後者は成体で体長6-7 mmほどの小型種です.見た目の違いは以下の写真で解説します.

  • 2020.11.05-11.14 東広島キャンパスで見られた晩秋のきのこを紹介します.きのこを見る機会は減りましたが、この季節特有のものもいくつか見られます.広葉樹の枯れ木には栽培品も有名なヒラタケや,林内の落葉からはムラサキシメジが発生していました.その他にも,小柄なものの色鮮やかなサクラタケアカヤマタケ,形状が独特なコツブタケなど様々なきのこが顔を出しており,シーズンの終盤を彩ります.

11月中旬に観察された野鳥を紹介します.笹薮など薄暗い林縁部にはクロジが見られます.アオジと紛らわしいですが,オスは全身が黒っぽく尾羽に白斑がないという特徴があります.シロハラは林床などを跳ね回り,落ち葉を返して虫などを捕食します.マヒワはクチュクチュと鳴きながら,樹上を移動します.

亜種オオカワラヒワを観察することができました.本亜種であるカワラヒワに似ますが,一回り大型で三列風切外弁の白色部が幅広いなどの特徴があります.日本には冬鳥として飛来します.山中池などのため池ではマガモオオバンの姿が見られます.

晩秋の蛾が出現しています.ヒメヤママユはヤママユガ科の大型種で,東広島キャンパスでは11月上~中旬に出現します.オスのほうが翅の色が濃く翅形が細いですが,メスでは翅色が淡く翅がより丸みを帯びます.地衣類擬態のケンモンミドリキリガも見られます.

秋の昼行性の昆虫です.アキアカネはキャンパスでは10月以降成熟した個体が見られるようになり,枝先などにとまっている姿が見られます.コノシメトンボリスアカネに似ますが胸部側面の模様が異なり,全身が赤くなります.植生の少なく開放的なため池の周辺に見られ,地面にとまることが多いです.ミノウスバはオスが日中マユミマサキなどニシキギ科の周りを飛んでおり,産卵を終えたメスはそれらの枝先にしがみついています.

その他の昆虫やクモ類です.クスノキの葉裏には外来種のクスベニヒラタカスミカメの姿が見られます.幼虫は飴細工のような透明感のある姿をしています.キュウシュウクロナガオサムシは繁殖期を迎えており,林床をさかんに歩き回っています.

林縁部などでは多くのジョロウグモが見られます.秋にはどこでも普通に見られ,立体的で大きな網を張ります.オオミノガの幼虫がイロハモミジを食べる様子や先週に引き続きムラサキシジミの日光浴が見られました.

発見の小径ではアトリアオジの姿も見られます.ミツバアケビの実を食べるメジロの姿も見られました.

山の中を歩くとツグミ類の混群と遭遇することがあり,ツグミシロハラマミチャジナイクロツグミを確認することができました.また,特定外来生物に指定されているソウシチョウの姿を見ることもあります.本種は薄暗い林内を好み,同様の環境を好むウグイスとの競合が懸念されます.

アシナガバチ類が繁殖期を迎えています.特にセグロアシナガバチキアシナガバチのオスがよく見られます.トゲアリも繁殖期を迎えていて,巣の周りにオスの姿を確認することができました.

快晴の寒い朝には,ムラサキシジミが体温を上げるために翅を開く姿が見られます.開けた草地や荒地では、アカタテハがテリトリーを張っている姿が見られます.ため池の周辺ではオオアオイトトンボが飛んでいます.

10月

  • 2020.10.01-17 東広島キャンパスでシマアメンボの長翅型やヒメカマキリを観察することができました.シマアメンボはリンク先の写真のように無翅型の観察例が多いですが,稀に翅を有する成虫を見ることがあります.本種は山中谷川や角脇川などの淀みで普通に見られるので,是非探してみてください.ヒメカマキリはキャンパスでの個体数は多いですが,体長30 mm前後と小型なのでやや見つけにくいカマキリです.特にオスは敏捷に走り,飛翔します.

荒地などではヨモギの花穂に擬態していると考えられるハイイロセダカモクメの幼虫が見られます.また,スズメバチやアシナガバチが繁殖期に入り,オスのハチが時々見つかるようになりました.オオスズメバチの働きバチは依然として樹液を独占しており,林縁部を歩く際は注意が必要です.

10月上~中旬にキャンパスで見られた赤とんぼです.ネキトンボは翅の基部が褐色であることが特徴で,ショウジョウトンボによく似ていますが,ネキトンボには胸部側面に明瞭な黒筋があるほか,脚までは赤くないなどの違いがあります.キトンボは翅の基部から中ほどまで黄褐色になるのが特徴のトンボで,12月まで生きていることがあります.リスアカネはやや薄暗いため池の周縁に見られます.


生態実験園などでは渡りをするチョウ,アサギマダラを観察することができました.しばしばミゾソバサワヒヨドリに訪花しています.ナミアゲハヒガンバナで,ツマグロキチョウアキノノゲシキツネノマゴで吸蜜する姿も見られました. ササ類につくアブラムシにはゴイシシジミがやって来ることがあります.幼虫はこれらのアブラムシを捕食し,成虫は彼らが出す甘露を吸います.ウラナミシジミクロマダラソテツシジミは南方から飛来し本土で発生を繰り返しますが,冬には死滅します.(無効分散)

秋のヤママユガ類であるクスサンが出現しています.昨年に比べ発生数は少ない印象です.ウスバツバメガは昼行性の蛾で,サクラ並木をヒラヒラと舞います.ミツバアケビの実の汁を吸うアケビコノハも見られました.

9月

  • 2020.09.13-28 東広島キャンパスでコガタノゲンゴロウを観察することができました.コガタノゲンゴロウは1950年代以降大きく数を減らしたゲンゴロウの一種で絶滅が心配される種でしたが,近年急激に分布を拡大しており,個体数も回復しています.マルチビゲンゴロウは微小なゲンゴロウ類で,こちらは近年減少傾向にあり環境省RDBで準絶滅危惧種に選定されています.トガリアメンボは東南アジア原産の外来種で,その高い飛翔性から分布を拡大しています.

様々なヘビの幼体(幼蛇)を観察することができました.シマヘビジムグリは幼蛇と成蛇で色彩が異なります.一方,シロマダラは模様の変化が小さいです.


東広島キャンパスは鳥の秋の渡りシーズンに入り,エゾビタキコサメビタキなどが見られます.エゾビタキは胸から腹にかけての縦斑紋が特徴的で,コサメビタキにはこれがありません.この二種はしばしば「フライキャッチ(空中で羽虫を捕らえる)」をする様子を観察することができます.森林内ではオオムシクイの姿を見ることができます.外見でメボソムシクイやコムシクイといった類似種と識別するのは難しく,鳴き声によって同定することが求められます.


キャンパスのクモ類です.林縁部ではビジョオニグモがよく見られます.腹部には人の顔のような模様があり,個体によって表情も様々です.薄暗い林内ではキジロオヒキグモが見られました.特徴的な長い腹部をもつ記録の少ないクモです.トビズムカデは大型のムカデで,夜間道路や樹幹を這っています.

セミや鳴く虫の紹介です.セイタカアワダチソウクズの生える乾いた草地では,ヒロバネカンタンが鳴いています.カンタンとは異なり,「リー・リー」と音を引き延ばします.アカマツ林の樹上ではチッチゼミが鳴いています.小型種で高枝にいることが多いため姿の観察は困難ですが,「チッチッチッチ...」という鳴き声はよく聞くことができます.生態実験園ではミンミンゼミアキニレの枝に産卵する様子が見られました.

ササキリの仲間です.ササキリはやや薄暗い林縁部で「ジリジリジリジリ…」と鳴きます.複眼が真っ黒なのが特徴です.ホシササキリウスイロササキリは明るい草地で「シリリリリリ…」と鳴く,ともに似たササキリです.ホシササキリは乾燥した草地に多く,翅の側面に黒斑を有します.ウスイロササキリはやや湿った草地を好み,翅が長く目立った斑紋もありません.

クマスズムシは畑地や林床などに見られるコオロギで,「シュリシュリシュリ…キーーーーーン」という独特な声で鳴きます.カネタタキは樹上で「チン・チン・チン」と鳴きます.ツユムシは明るい草地で見られ,「ピチッ・ピチッ」と小さく鳴きます.

セスジツユムシは発見の小径で最も見られるツユムシで,オスは主に夜間,「チチチチチ…ジーチョ・ジーチョ」と鳴きます.サトクダマキモドキヤマクダマキモドキは落葉広葉樹林の林縁部に多く見られます.両種はよく似ていますが,サトでは前脚が緑色の個体が多く,ヤマでは前脚が赤く色づきます.

9月に見られた主なチョウです.ナガサキアゲハは黒を基調とした大型のアゲハで,メスは前翅の基部に赤い斑紋があり,後翅には白い斑紋が並びます.ウラギンシジミはオスの翅表の斑紋が赤褐色であり,メスとの識別点になります.ツマグロキチョウは食草のカワラケツメイの減少とともに全国的に減っていますが,東広島では毎年安定して観察することができます.

トンボの紹介です.水草の豊富な池ではムスジイトトンボが見られます.オオイトトンボによく似ており,細かな違いを確認する必要があります.オオルリボシヤンマは過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地ではマユタテアカネの連結産卵が見られます.

キャンパスで見られる個性的なイモムシです.ウラギンシジミの幼虫は尻の方に二本の角をもち,刺激を受けるとここから線香花火のような突起を出します.シンジュサンの幼虫は青白い体色に短い突起が並んでいるのが特徴です.シャチホコガの幼虫は刺激を受けると反り返り,長い胸脚を広げて体を震わせます.

他の虫に擬態していると考えられる生き物を紹介します.ホソヘリカメムシの若齢幼虫は非常にアリに似た姿形をしていますが,鋭い口吻があるのでカメムシであることがわかります.キボシマルウンカは様々な植物につく6-7mmほどの昆虫で,テントウムシに酷似しますが,ウンカに近縁な昆虫です.オドリハマキモドキは翅を立たせながら葉上をせわしなく動き回ります.前翅の先端に並ぶ黒い斑紋がハエトリグモの目のように見え,小刻みに跳ねながら動くさまもそっくりです.

広義のバッタ類です.クルマバッタは東広島キャンパスでは限られた草地でしか観察することができません.クルマバッタモドキトノサマバッタに似ていますが,胸部背面がやや盛り上がること,飛ぶとき後翅に黒い輪っか模様が確認できること,翅の模様など総合的に見ると識別可能です.アシグロツユムシは林縁部などで見られるツユムシの仲間で,「ジキ・ジキ...」と目立たない声で鳴きます.アオマツムシは明治頃に帰化したとされる外来種です.街路樹や雑木林などの樹上で「チリー・チリー!」と騒がしく鳴きます.


カマキリ類も発生しています.ハラビロカマキリは樹上で見られるカマキリで,昨年キャンパスで確認された外来種のムネアカハラビロカマキリとの競合が懸念されます.チョウセンカマキリオオカマキリに酷似しますが,やや開けた草地などの環境を好みます.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.コカマキリは地表付近で見られるカマキリで,前脚の脛節の内側の斑紋が特徴です.


キャンパス内の小川ではハグロトンボがよく見られます.翅がすべて黒く,オスは腹部が金緑色に輝くので大変印象的です.アジアイトトンボはため池や湿地で見られ,アオモンイトトンボに似ていますが一回り小さいです.オニヤンマは日本最大のトンボで,ゆったりと飛翔するさまは圧巻です.

8月

ヤママユは大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.ヤホシホソマダラは胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.ヒメクロホウジャクも昼行性で,ミソハギの花に訪花していました.

トンボの仲間は,アカネ属のマユタテアカネヒメアカネマイコアカネの未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.アオイトトンボコバネアオイトトンボは既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.カトリヤンマなどのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.

  • 2020.08.11 ががら山の麓のススキ群落でカヤキリを観察することができました.カヤキリは日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高いススキヨシが茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になったオオカマキリを観察することができました.

山地に生息する傾向の強いハサミツノカメムシを観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.ヒゲナガサシガメは幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.アオバハゴロモは広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.

東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスではコガネグモは草地や森林が接するような環境で,ナガコガネグモはやや湿った草地で,ムシバミコガネグモは林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏にはふれあいビオトープを中心にチュウガタコガネグモが,これからの季節は薄暗い林縁部ではコガタコガネグモが観察できます.

  • 2020.07.30-08.07 東広島キャンパスでマメイタイセキグモカトウツケオグモを観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.マメイタイセキグモはいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.カトウツケオグモも,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.

東広島キャンパスではアキノタムラソウが咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回はナミルリモンハナバチとその寄生対象とされるスジボソコシブトハナバチ,さらにシロスジコシブトハナバチを観察することができました.


角脇調整池の岸辺ではツチガエルのオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.(広島県のツチガエルのページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超えるヒバカリの成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコのソライロタケを観察することができました.

東広島キャンパスのため池にはギンヤンマショウジョウトンボなど,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.チョウトンボは青い光沢感のある翅が特徴的で,ヒシガマなどの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボにはウチワヤンマタイワンウチワヤンマがいます.タイワンウチワヤンマは元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.

晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間はカキノキクリなど広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここではイラガアオイラガアカイラガヒメクロイラガヒロヘリアオイラガテングイラガの6種を紹介します.

東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミやキリギリス(ニシキリギリス)が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,アブラゼミクマゼミニイニイゼミミンミンゼミツクツクボウシヒグラシの6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのはハヤシノウマオイで,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.

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