植物分類・生態学研究室/先輩の声

提供: 広島大学デジタル博物館
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先輩の声

「単なる通過点でなかった広島大学」

>私は八本松にある農業技術センターに勤務しています。大学では個性派ぞろいの分類・生態学講座でお世話になり、濃厚な研究生活において、つぶされないよう自分をしっかりもつように鍛えられたような気がします。また、専門の知識や手法は言うまでもなく、先生や先輩にいわれた小言や大叱られされたこと、はたまた講座の人たちとのちょっとした会話までが驚くほど日々の仕事に活かされています。あれほど多くの人が自分のためにやいのやいの言ってくれる恵まれた環境はなかったのではないでしょうか。

>現在は、作物病害を担当しています。理学と農学とのギャップに苦労することもありますが(農学は人がからむから難しい)、はじめからその道の専門家なんて期待されていませんでしたので、気楽に勉強することができます。大学の一歩外にこんな世界があったんだという驚きや楽しみがあります。在学中のみなさんもあまり専門にこだわらないでいろいろなことに興味をもって挑戦してみてください。また、農業技術センターでは意外にも多くの先輩が様々な分野で活躍されています。近くですし気軽に遊びにきて下さい。 

RIGHT:広島県立農業技術センター 渡部佐知子 RIGHT:(平成8年修士課程修了)

「マクロな視点で」

>広島大学理学部生物科学科で誇れるものの一つに野外実習があげられると思う.私が学生時代には学部3年生時に夏に北海道,東北または北アルプスのどこかに,冬には西南諸島のどこかに実習に出かけ,日本の北の高山や南の海岸などの植生を実際に調査できた.これはなかなか有意義であった。私は当時教育学部の学生であったが、結局、卒業論文を理学部生物学科分類・生態学講座で書くこととし、さらに大学院修士、博士課程へと進みマツ枯れ後の植生変化を研究することになってしまった。もともと生態学に興味を持っていたが、この野外実習に感化されたことも事実である。

>近年学問の細分化が進み,解析的研究が主流になっている。もちろん科学であるからには解析的であるのは当然であるが、個々の関係だけではなく、総体として自然を捉えることも重要だと考える。現在、地域のみならず地球規模での環境問題がクローズアップされている。人間は自然を征服できると過信した科学や近代技術主義が現在の環境問題の原因であるともいわれる。自然と人間との関係含めてマクロな視点から自然を捉えることはますます重要になってきているといえる。分類・生態学講座はマクロな視点から自然をみることのできる講座であると思う。 現在,千葉県立中央博物館環境教育研究科に勤務しているが、研究スタッフは地学,動物,植物,生態学に歴史を加え60人を超え,特に生態学関係は20人近くにのぼる.海外を含めた調査研究を中心に、それらの研究成果を展示や教育普及活動にも活用している。博物館でもマクロな視点で自然と人間との関係を考えていきたいたいと思う。

RIGHT:千葉県立中央博物館 M. F. RIGHT:(平成4年博士課程後期植物学専攻修了)


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