「アカマツ」の版間の差分
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動 (→解説) |
|||
7行目: | 7行目: | ||
== 解説== | == 解説== | ||
− | + | * 常緑針葉高木. | |
− | + | * マツという名は植物学上はないが,アカマツ・クロマツとそれらの雑種であるアイグロマツが宮島には自生している.盆栽で有名な「宮島五葉」は宮島の産といわれるが,現在ゴヨウマツ(一名ヒメコマツ)の自生は宮島で確認されていない. | |
− | + | * 宮島では駒ヶ林の岩場などがアカマツの生育適地と思われる.マツの花は4月下旬に咲き,2年かかって種子が熟す.1本の枝上に次々と並んでいるから,その成熟の段階が容易に観察できる.花の時期は,クロマツの方がアカマツより早い.宮島では4月25日ごろがクロマツ,4月30日から5月はじめがアカマツの花盛りで,水たまりに花粉が一面に浮いているのが見られる. | |
− | 常緑針葉高木. | ||
− | |||
− | マツという名は植物学上はないが,アカマツ・クロマツとそれらの雑種であるアイグロマツが宮島には自生している.盆栽で有名な「宮島五葉」は宮島の産といわれるが,現在ゴヨウマツ(一名ヒメコマツ)の自生は宮島で確認されていない. | ||
− | |||
− | 宮島では駒ヶ林の岩場などがアカマツの生育適地と思われる.マツの花は4月下旬に咲き,2年かかって種子が熟す.1本の枝上に次々と並んでいるから,その成熟の段階が容易に観察できる.花の時期は,クロマツの方がアカマツより早い.宮島では4月25日ごろがクロマツ,4月30日から5月はじめがアカマツの花盛りで,水たまりに花粉が一面に浮いているのが見られる. | ||
− | |||
− | |||
{| border="1" cellspacing="0" | {| border="1" cellspacing="0" |
2010年5月5日 (水) 14:38時点における版
広島大学 > デジタル自然史博物館 > 植物 > 郷土の植物 > 維管束植物 > アカマツ | 広島県の植物図鑑 / 和名順
アカマツ Pinus densiflora Siebold & Zucc.
解説
- 常緑針葉高木.
- マツという名は植物学上はないが,アカマツ・クロマツとそれらの雑種であるアイグロマツが宮島には自生している.盆栽で有名な「宮島五葉」は宮島の産といわれるが,現在ゴヨウマツ(一名ヒメコマツ)の自生は宮島で確認されていない.
- 宮島では駒ヶ林の岩場などがアカマツの生育適地と思われる.マツの花は4月下旬に咲き,2年かかって種子が熟す.1本の枝上に次々と並んでいるから,その成熟の段階が容易に観察できる.花の時期は,クロマツの方がアカマツより早い.宮島では4月25日ごろがクロマツ,4月30日から5月はじめがアカマツの花盛りで,水たまりに花粉が一面に浮いているのが見られる.
2002年5月1日 | 2002年4月27日 |
アカマツの実 | アカマツ樹皮 |
花期
- 4月下旬〜5月中旬(宮島)
分布・産地・天然記念物
- 広島県では沿岸部から中国山地まで広く分布.
- 広島県は全国でアカマツ林の面積がもっとも広く,広島県(1978)によればアカマツ林の 総面積は210,700haで,そのうち人工林は1,500ha,天然林は162,400haである.
- 広島県のアカマツ群落の研究はToyohara(1984)に詳しい.
標本
- 戸河内町捨谷(yy-6264),広島市日浦山(yw-5945),府中町水分峡(mt-6310),呉市灰ケ峰(mt-7238),庄原市葦嶽山(mt-7873),黒瀬町国近(mt-7932),油木町阿弥陀山(mt-8242),庄原市大黒目山(yw-4929),尾道市鳴滝山(mt-9961),芸北町一兵山家山(mt-11118),大野町経小屋山(mt-1895),豊浜町豊島(mt-12015),安浦町久多島(hh-7600),大野町経小屋山(hh-7585),江田島町古鷹山(mt-13287),廿日市市鳥帽子岩(hh-7752),三良坂町沖江(kk-1535),総領町木屋(kk-1786),熊野町石嶽山(yw-902),因島市白滝山(yk-2110),大和町下徳良(sf-2315),内海町横島(sf-2744),三原市大平山(yk-4249),瀬戸田町垂水観音山(sf-4623),福山市仙酔島(sf-4754),因島市青影山(yk-4859),神之瀬峡(mt-18063),甲山町今高野山(ns-1518),向島町高見山(yk-5853),土生町宇和部(yk-5972),西城町三坂(hn-1163),油木町上野(sf-6453),河内町竹林寺(yk-6601),本郷町用倉(yk-6633),御調町下山田(yk-6915),府中市河佐峡(sf-7127),東城町森(hn-1371),世羅町新山(yk-7249),大和町河頭(yk-7531),上蒲刈町田戸(mt-15996),東広島市蚊無奥山(mt-16500),口和町常定(hn-328),三和町井関(sf-930),野呂山(mt-16676),豊松村有木(sf-1455),久井町江木(sf-1917),甲奴町弘法山(sf-2015),比和町釜峯山(kk-2834),上下町岳山(yk-8487),佐伯町羅漢山(hh-8845),甲山町別迫(yk-9572),神辺町東中条(sf-10230).
慣用名
- メマツ
広島県方言
- アカズレー
- アカマツ
- アカハダ
- オナゴマツ
- オンナマツ
- マツ
- メンキ
- メンマツ
備考
- 環境庁コード: 9000
文献(出典)
- 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.
- 三次地方林業同志会. 1997. 広島県樹木方言集. -viii + 57 pp. 三次地方林業同志会, 三次.
- 954
- 1955
- Toyohara 1979
- 豊原 1981
- Toyohara 1984
- 吉野 1989
- 藤原ほか 1991
広島大学 / デジタル自然史博物館 / 植物 / 郷土の植物 / 維管束植物 | 広島県の植物図鑑 / 和名順 にもどる