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オオサンショウウオ生息地周辺の植生
広島県東広島市豊栄は広島県の中央に位置する.豊栄は日本海側と瀬戸内海側へ注ぐ河川の分水嶺にあたり,地理的に見ても重要な場所である.潜在自然植生はシラカシ林と推定されているが,数十年前まで人間の活動の影響でアカマツ二次林が成立していた.現在,松枯れ病の拡大にともなうアカマツの枯損や里山としての利用機会の減少により,遷移が進行している.
東広島市椋梨川水系のオオサンショウウオ生息地周辺では,シラカシやアカマツ,スギなどが見られ,アカマツが枯れアベマキやコナラが優先する落葉樹林とシラカシが優先する常緑樹林が隣接している.オオサンショウウオの幼生や餌となる水生昆虫の隠れ家となる落ち葉が冬季の離散の時期には必要であり,落ち葉を供給する落葉樹が重要な役割を果たしていると考えられる.
活動
- 2016年06月17日,ゴウジョウ堰(ぜき)より上流に向けて木本を中心に植物相の予備調査(第1回目)を行った.
- 2016年11月11日,第2回目の植物相の調査を行った.前回より上流と川の周辺の植物も確認した.
- 2017年01月28日,オオサンショウウオ幼生調査の際に隠れ家となっている落ち葉を採集した.
- 2018年05月01日,落ち葉の同定結果を踏まえ,第3回目の植生相の調査を行った.
第1回目調査
落葉樹
- アカシデ
- アカメガシワ
- アベマキ
- ウリカエデ
- ウワミズザクラ
- カキノキ
- ガマズミ
- カマツカ
- カンサイスノキ
- キリ
- クサギ
- クロモジ
- コアジサイ
- コウヤボウキ
- コシアブラ
- コバノガマズミ
- コバノミツバツツジ
- ザイフリボク
- サカキ
- サンショウ
- シラカシ
- タカノツメ
- タムシバ
- タラノキ
- タンナサワフタギ
- ナガバモミジイチゴ
- ヌルデ
- ネジキ
- ネムノキ
- ホオノキ
- ミヤマガマズミ
- ヤマウグイスカグラ
- ヤマウルシ
- ヤマツツジ
- リョウブ
常緑樹
つる
淀みにたまっていた落ち葉
第2回目調査(暫定版)
標本の確認終了後,確定とする.
落葉樹
- アオハダ
- アカシデ
- アブラチャン
- アベマキ
- イソノキ
- ウツギ
- ウメモドキ
- ウラジロノキ
- ウリカエデ
- エゴノキ
- カキノキ
- カマツカ
- カンサイスノキ
- キシツツジ 半落葉
- クサギ
- クマイチゴ
- クリ
- クロモジ
- コアジサイ
- コシアブラ
- コツクバネウツギ
- コナラ
- コバノガマズミ
- コバノミツバツツジ
- ザイフリボク
- サクラバハンノキ
- サンショウ
- タカノツメ
- タムシバ
- タラノキ
- タンナサワフタギ
- ナガバモミジイチゴ
- ナツツバキ
- ナツハゼ
- ヌルデ
- ネジキ
- ネムノキ
- ノイバラ
- ハネミイヌエンジュ
- ヒメコウゾ
- ビロードイチゴ
- ミヤマガマズミ
- ムラサキシキブ
- ヤマウグイスカグラ
- ヤマウルシ
- ヤマコウバシ
- ヤマザクラ
- ヤマツツジ 半落葉
- リョウブ
常緑樹
つる
草本
落ち葉調査
現在同定作業中だが,量的に目立ったのがコナラ,アベマキ,サクラバハンノキ,クリであった.第1回,第2回調査でコナラやサクラバハンノキは渓畔林には目立たなかったので,より上流域から落ち葉が供給されている可能性がある.溜まっていた落ち葉は,葉が厚くて重く分解されにくい落葉広葉樹が多かった.
江上
巣穴前
松前
備考
更新履歴
- 2016.06.17 ページ作成.
- 2017.01.14 第2回目の調査のリスト(暫定版)
広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 郷土の動物 > 広島県のサンショウウオ・イモリ > オオサンショウウオ > 広島県東広島市椋梨川水系オオサンショウウオ調査 > オオサンショウウオ生息地周辺の植生 | 広島県の動物図鑑 / 和名順