クラスター根
提供: 広島大学デジタル博物館
クラスター根 Cluster Root
- 低リン耐性の高い植物が形成する特殊な形態の根.
- 小根が密になり,試験管ブラシのような構造となる.
- 表面積を拡大するだけでなく,土壌中に未利用のまま残っている難利用性リンを有効に利用するための有機酸および酸性ホスファターゼを爆発的に分泌させることが知られている.
- 1889年,Englerによって初めて観察・記述された.Proteaceae(ヤマモガシ科)から見つかったことから,プロテオイド根(Proteoid Root)と名付けられたが,のちに他の植物でも似たような形状の根が確認されたため,その見た目からクラスター根と呼ばれるようになった。
- マメ科ルピナス属,ヤマモガシ科,ヤマモモ科,モクマオウ科,カバノキ科がよく知られている.
- 2020年,モデル植物としてシロバナルーピン(マメ科ルピナス属)の全ゲノム情報が解読された.
- 宮島自然植物実験所周辺に自生するヤマモガシやヤマモモからクラスター根が見つかっている.