ニホンマムシ

提供: 広島大学デジタル博物館
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ニホンマムシ(広島県廿日市市; 撮影: 池田誠慈, Jul. 15, 2015)
ニホンマムシのピット器官(白矢印).赤外線を感知する.(広島県廿日市市; 撮影: 池田誠慈, Jul. 15, 2015)
ニホンマムシの毒牙(白矢印).大きく口を開くと毒牙が起こされる.(広島県廿日市市; 撮影: 池田誠慈, Jul. 15, 2015)

ニホンマムシ Gloydius blomhoffii

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 爬虫綱 Reptilia > 有鱗目 Squamata > ヘビ亜目 Serpentes > クサリヘビ科 Viperidae > マムシ亜科 Crotalinae > マムシ属 Gloydius > ニホンマムシ Gloydius blomhoffii

解説

  • 北海道・本州・四国・九州・国後島・焼尻島・手売島・佐渡島・隠岐・壱岐・五島列島・甑(こしき)島列島・屋久島・種子島・伊豆大島に分布.
  • 広島県では,市街地周辺では見られないが,カエルやネズミが多い田の畔(あぜ)や草むらなどの水辺や湿地で見かける.
  • 毒蛇として知られるが,積極的に人を襲うことはない.
  • ヘビ毒はヘビの唾液で,どのヘビも少なからず毒をもつが,毒液を効率よく相手の体に打ち込む毒腺と毒牙をもっているのが毒蛇である.
  • 毒蛇には大きく2つのグループ(コブラ科とクサリヘビ科)に分けられる.
  • ヘビ毒には,大きく分けて神経毒と出血毒と筋肉毒がある.
  • ニホンマムシやヤマカガシの毒は出血毒が主だが,少量の神経毒も含まれており単純ではない.
  • 毒蛇の危険度は,そのヘビのもっている毒の強さも当然ながら,咬まれて注入される毒液の量で決まる.
  • 本種はカエルやネズミを中心に小型脊椎動物を食べる.
  • 昼間も活動するが,主に夜行性.
  • 鼻孔と目の間にピット器官と呼ばれる赤外線センサーをもち,暗闇の中でも熱を発するものを感知することができる.
  • 多くのヘビは卵生だが,本種は卵胎生で,仔ヘビを出産する.
  • メスは夏に交尾して翌年受精させるが,長期間精子を保存することもでき,さらに1年以上出産を延ばすこともできる.
  • 交尾後5年経って出産した例が知られ,1回の交尾で2回以上の出産も可能.このような現象は遅延受精と言われ,マムシ以外でも知られている.
  • 総排出腔にある臭腺(しゅうせん)から悪臭を出す.

天然記念物・RDB

  • なし

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

  • Japanese mamushi

広島県方言

  • はみ

備考

文献(引用)

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島. ISBN 978-4885172298.
  • 千石正一(編). 原色両生・爬虫類. 206 pp. 家の光協会, 東京.
  • 鳥羽通久. 1996. マムシ・ハブ・ベニヘビ類. 日本動物大百科 5: 101-102 pp. 平凡社, 東京.
  • 鳥羽通久. 1996. マムシ・ハブ・ベニヘビ・ウミヘビ類種名表. 日本動物大百科 5: 109 p. 平凡社, 東京.