「ヒナノシャクジョウ」の版間の差分

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維管束植物門 Tracheophyta
 
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2022年5月30日 (月) 08:50時点における版

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ヒナノシャクジョウ Burmannia championii Thwaites

シノニム

  • Burmannia japonica Maxim. ex Makino(牧野 1935)

その他

分類

維管束植物門 Tracheophyta > 被子植物上綱 Angiospermae > モクレン綱 Magnoliopsida > ユリ上目 Lilianae [= Monocotyledones 単子葉植物] > ヤマノイモ目 Dioscoreales > ヒナノシャクジョウ科 Burmanniaceae > ヒナノシャクジョウ属 Burmannia

旧分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 単子葉植物綱 Monocotyledoneae > ヒナノシャクジョウ科 Burmanniaceae > ヒナノシャクジョウ属 Burmannia

解説

  • ヒナノシャクジョウが日本で最初に発見されたのは1880年(明治13年)で,矢田部良吉が武州白子(現在の埼玉県和光市,東京都練馬区に隣接)で採集したものである.1883年(明治16年)に,牧野富太郎が高知県佐川町で採集した標本をロシアのK. J. Maximowiczに送り,Burmannia japonica Maxim.と命名され,ここにその分類学上の位置が明らかとなった(牧野 1935).現在では,この学名は東南アジアに広く分布するB. championii Thwaitesの異名とされている(北村・村田・小山 1964; 佐竹ほか 1982など).
  • 小型の多年生草本.光合成を行わない菌従属栄養植物.植物体は白色で,宮島ではセミが鳴き始める頃から開花が始まる.向井ほか(2001)により広島県からはじめて報告され,向井ほか(2007)でも生育が確認された.その後の継続調査でもほぼ同じ場所で毎年開花が確認されている.また,向井ほか(2001)の報告の後,広島県内の他の複数の場所でも生育が確認されている.
  • 広島県内の自生は,原紺勇一が初めて発見し,関太郎が同定した(向井 2001).その後,主に沿岸部で生育が確認されているが,ほとんどの産地で生育個体数は極めて少ない.以下に引用した標本の産地以外に,三次市,安芸郡坂町,呉市などでも生育が確認されている.
  • 井上ほか(2020)で東広島市から報告された.遷移が比較的進行した植生で生育が確認された.

花期

8-9月(写真は2000年9月に撮影).

20000913burmanniachampionii.jpg

分布・産地・天然記念物

  • 廿日市市宮島町,東広島市(井上ほか 2020
  • 本種の日本における分布は,日本野生生物研究センター(1992)によれば,生育が確認された県は茨城・埼玉・千葉・東京・静岡・愛知・三重・兵庫・奈良・和歌山・広島・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄で,現状不明は神奈川・京都・大阪・長崎,絶滅は山梨となっている.この中で,広島からの報告は,河毛周夫氏が採集した標本によるものと思われる(詳細については向井ほか 2001).本種は分布域が広いものの,小型であり,きわめて希な植物であるため,広島県内におけるその詳細な分布についてはよく分かっていない.

標本

  • 東広島(井上ほか 2020),広島市安芸区(hbg-17852),広島市安佐北区(hbg-17851),広島市安佐南区(yy-21564),宮島町(ts-200913, HIRO-MY)

慣用名

広島県方言

備考

  • 環境庁コード:64550
  • 広島県RDBカテゴリ: 絶滅危惧I類(CR+EN)

文献(出典)

引用文献


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