ヒメハギ 宮島の植物と自然

提供: 広島大学デジタル博物館
2017年1月20日 (金) 20:45時点におけるChubo (トーク | 投稿記録)による版 (→‎「宮島の植物と自然」内のページ)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動検索に移動

広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島の植物と自然 > 目次 > 薬になる植物と毒になる植物 > ヒメハギ

ヒメハギ Polygala japonica Houtt.

分類

ヒメハギ科 Polygalaceae,ヒメハギ属 Polygala

解説

 高さ10-20 cmになる多年性草本.茎は短毛があり,赤みを帯びることが多く,斜上する.葉は互生し,わずかに毛があるか,ほとんど無毛.先端にブラシ状の房をもつ左右相称(さゆうそうしょう)の赤紫色の花をつける.宮島では花期は4月中旬-5月上旬,夏には閉鎖花(へいさか)をつける.北海道から本州,四国,九州,琉球,朝鮮半島から中国,フィリピン,インドシナ,ヒマラヤに分布する.ヒメハギ科という独立した科として扱あつかわれる.日当たりが良く,やや乾いた場所に多く見られる.薬になる植物の一つで,サポニンを含み,去痰(きょたん)や咳止めなど薬用として用いられる.花が一見,マメ科の蝶形花(ちょうけいか)に似ているが,構造はまったく異なる.花弁は3枚しかなく,合着して筒状になり先端にブラシ状の付属体がつく.マメ科の花で言えば翼弁(よくべん)のように見える部分はがく片で,花弁の働きをしている.種子にはアリが好む成分を含む付属体(カルンクラ)があり,アリによって運ばれる.1950年代には,日本からヨーロッパなどに輸出もしていた.和名は,花の見かけがハギに似ており,小型であることから.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 107 p.

文献(引用)


広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島の植物と自然 > 目次 > 薬になる植物と毒になる植物 > ヒメハギ