ヤマグルマ

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ヤマグルマ Trochodendron aralioides Siebold & Zucc.

シノニム

その他

分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > ヤマグルマ科 Trochodendraceae > ヤマグルマ属 Trochodendron

解説

5-20 mになる常緑樹.花はあまり目立たず,花期は5月上旬から6月中旬.葉は厚く光沢があり,長い葉柄をもち,枝先に束生する.

ヤマグルマは日本と台湾にだけ分布し,本種が含まれるヤマグルマ科Trochodendraceaeも東アジア特産.

本種は多心皮である点や被子植物でありながら導管ではなく仮導管をもつ点などの特徴から,植物分類学上原始的な植物と考えられてきた.その原始性から,いずれも単型科の扱いで,新エングラー体系ではモクレン目Magnolialesに,クロンキスト体系ではスイセイジュ科Tetracentraceaeとともにヤマグルマ目Trochodendralesにおかれていた.最近の分子系統学的研究により,真正双子葉植物Eudicotsの中で比較的初期に分岐した群であることが明らかになっている.APG II植物分類体系では,ツゲ科Buxaceaeなどとともに,真正双子葉植物Eudicotsの多くの群が含まれるコア真正双子葉類Core Eudicotsと姉妹群あるいはそれに準じた系統関係にある群とされ,真正双子葉植物の直下のヤマグルマ目におかれている.

宮島では比較的低海抜の岩角地から尾根筋の岩場まで散見される.

別名トリモチノキと呼ばれ,樹皮からトリモチができる.

Evergreen tree or large shrub, up to 5-15(-20) m in height. Native to SW areas of Japan with an E Asia endemic distribution. Yellowish green flowers with ca. 50 stamens surrounding 5-10 carpels open in begenning of May to middle of June. The wood has secondary xylem without vessel elements: a feature quite unusual in angiosperms. The sole species in the genus, and sometimes used for bird liming, made from its bark.

(English checking by Professor Rod Seppelt)

花期

分布・産地・天然記念物

分布

産地

天然記念物

標本

  • 佐伯町可森山(yy-9026),戸河内町打梨(yy-9884),吉和村立岩(yy-10176),湯来町大峯山(yy-10908),筒賀村天上山(yy-8658),佐伯町万古渓(yy-6584),宮島(yy-2857),広島市鎌倉寺山(yw-551),三段峡(yw-5033),猿政山(mt-12948),廿日市市黒折(km-5086),新市町藤尾(sf-5476),神之瀬峡(mt-18265),高野町高暮(hn-1665),君田村小庵谷(kk-3327)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • トリモチノキ

英名

広島県方言

備考

  • 環境庁コード: 16900

文献(出典)


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