卒論・修論の基本

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卒業論文・修士論文の基本

  • 余裕をもって早めに取り組み始めること.
    • 材料や方法の項目は実験や調査を行ってすぐにまとめておくこと.
    • 文献は調査段階でリストにして,概略をメモしておくこと.
  • 体調不良なども想定して事をすすめること.
  • 卒業論文は日本語または英語,修士論文は英語.(所属する研究室のルールによる)
  • いずれも,以下のフォーマットとする.(目安)
    • 用紙:A4
    • 余白:上35 mm,下左右30 mm(Wordの標準値)で,左揃え
      • とくに,図表について,綴じた際に読めなくなる部分まで印刷しないこと.
    • 文字サイズ:12ポイント(目安)
    • 行間:20ポイント(固定値)(目安)
    • フォント:和文游明朝,英文Times New Romanなどの読みやすいフォント.
    • 引用形式:ハーバード形式(Hikobia形式)
  • 表紙にはタイトルと名前,学生番号,所属,指導教員を明記のこと.
  • 半角文字と全角文字を区別すること.
  • 表はExcelファイルにせず,Wordで作ること.
  • Excelファイルではセルの結合は行わないこと.

書式

テーマが1つの場合

  • 題目(Title)
  • 著者名・所属(Name of Author(s))
  • 要旨(Abstract)
  • 序論(Introduction)
  • 材料と方法(Materials and Methods)
  • 結果(Results)
  • 考察(Discussion)
  • 謝辞(Acknowledgements)
  • 引用文献(References)
  • 付録(Appendices)

修士論文や学位論文などテーマが複数ある場合

  • Title
  • Name of Author(s)
  • Abstract
  • General Introduction
  • Chapter 1
    • Introduction
    • Materials and Methods
    • Results
    • Discussion
  • Chapter 2
    • Introduction
    • Materials and Methods
    • Results
    • Discussion
    • General Discussion
  • Acknowledgements
  • References
  • Appendices
  • 内容がさらに多い場合は,Chapter 3, 4, 5...としていく.
  • Materials and Methodsの内容が重複する部分が多い場合は,合わせて独立させてもよい.

準備

全体の流れ

  1. 情報の入手:論文を読む,世の中をみる,会話をする,etc.
  2. リストアップする:メモる,付箋に書き出す,etc.
  3. 引き出す・こねる:チームでのアクティブラーニング.KJ法,etc.〜(個人 or チーム)x 方法
  4. フィードバックする:1.構造化〜グループにする,並べ替える/2.文章化〜他人が理解できる表現にする

アイディア

  • 日頃から,さまざまな情報に接して,関連しそうな内容について情報を仕入れる
    • 論文,学会,研究会,セミナー,インターネット,ニュース,新聞,さまざまな人との交流など
  • 関係する論文を検索する
    • 論文検索サイト,データベース,図書館,図書室,書庫など
    • 日本語の論文だけでなく,英語やスペイン語,中国語など外国語の論文も対象にする
    • 英語の論文についてはGoogle Scholar https://scholar.google.co.jp/ が便利
    • 分野によってはデータベースが存在するので,それも利用する
    • ある分野の内容をまとめた論文(レビュー論文)などを探して,内容を理解するとともに,引用されている論文をさらに入手して読んで,その分野を理解していく
    • 古い論文はインターネットの検索では引っかかってこないものが多いので,図書館などを利用して丁寧に検索する
    • 場合によってはマイクロフィッシュなどを探す必要がある(最近はまれ)
  • ブレインストーミングによる関連事項の列挙
    • キーワード,関係する論文の概略,思いついた内容などを箇条書きにする
    • アクティブラーニングでイメージを膨らませていく

文章の書き方

  • 列挙したものを内容ごとにまとめる
  • 全体の流れを考えながら,まとまりを並び替える
  • デザインした流れをもとに文章にする
  • 文章の書き方
    • 英語論文の形式に準じて,パラグラフを意識してまとめていく
    • 一つの文は短く,かつ明瞭に
    • 文の並びは理論に飛躍がないように,整然と並べていく
    • パラグラフのはじめにそのパラグラフで述べたい内容をまとめた文を置く

流れ

  1. はじめに,キーワードや集めた内容を全部PCで入力する.とりあえず箇条書きで良い.これまでに発表した内容などもすべて集める.研究計画や中間発表,ポスターなどの内容も.
  2. 内容に応じて,いくつかのまとまりを作る
  3. まとまりの中を並べ替えて,流れを作る
  4. ある程度まとまりができたら,それを並べ替えて,全体の流れを作る
  5. 文章を整える.適宜,順番を入れ替えたり,補足していく

ポイント

前田(2017)(33ページ)
『主語と述語をしっかり対応させ,一つの文は一つの要素で書く.』
前田(2017)(55ページ)
『未知情報には「が」,既知情報には「は」がつくことを覚えておこう.』
前田(2017)(80ページ)
『できるだけコンパクトにまとめることを心掛けよう.同じ言葉,似たような表現を繰り返さないように注意する.強調したい部分はその対極と対比させると,より明確になることも覚えておこう.』
前田(2017)(88ページ)
『とくに,頭に浮かんだっことをそのまま書き出してしまいがちだ.頭に浮かぶ情景を時系列に沿って振り返ると,道筋が見えてくる.そのうえで本筋になる部分から書き出すとスムーズに文章が書ける,ということを意識しておこう.』

論文に含まれるべき内容

  • 論文の背景と重要性,目的
  • 結果,考察

要旨(アブストラクト,Abstract)

  • アブストラクトは小さな論文ともいえる
  • 研究の背景,方法,結果,考察などを簡潔にまとめる

引用文献の形式

Book(本全体)
Smith, G. M. 1950. The Fresh-water Algae of the United States. 719 pp. McGraw-Hill, New York.
Book chapter(本の一部)
Richards, P. W. 1979. A note on the bryological exploration of North Wales. In Clarke, G. C. S. & Duckett, J. G. (eds.), Bryophyte Systematics, pp. 1–9. Academic Press, London.
Journal article (use standard Journal abbreviations only)(雑誌)
Kobayashi, Y. & Watari, S. 1934. Microphotographs of lower plants (V). J. Jpn. Bot. 10: 648–657. (In Japanese).
Poelt, J. & Buschardt, A. 1978. On some notable lichens from Norway. Norw. J. Bot. 25: 123–136.
Journal article published online but not yet in print(オンライン)
Ozeki, M., Isagi, Y., Tsubota, H., Jacklyn, P. & Bowman, D. M. J. S. 2006. Phylogeography of an Australian termite, Amitermes laurensis (Isoptera, Termitidae), with special reference to the variety of mound shapes. Mol. Phyl. Evol. (in press). DOI: 10.1016/j.ympev.2006.06.024.

参考

パワーポイント

  • A4用紙を8つに折って,ラフに箇条書きを書き,ラフスケッチを作る.この段階では順番はおおよそで良い.
  • パワーポイントに箇条書きを入力して,検討する.この際,前後を並べ替えたり,ページを分割・結合したりして,仕上げていく
  • おおよその流れが決まったら,体裁を整えて,仕上げる
  • 実際に時間をはかりながら練習する.その際,1枚毎の時間を記録して,参考にする
  • 同僚や友人など周辺にも見せて意見をもらったり,セミナーなどで発表して質疑の結果を反映させていく

ポスター

  • Illustratorやパワーポイント,Inkscapeなどのソフトで作成する
    • IllustratorやInkscapeなどのソフトはすぐに使いこなせるようになるわけではないので,情報メディアセンターの講座を受けたり,自身で学習しておく
  • 実際の印刷の流れ〜構想,作成,改善,予約,実際の印刷,印刷後の処理,発表,フィードバック.それぞれの段階でノウハウが必要.いきなり本番ではなく,あらかじめ想定したり,実体験しておくこと.他人のやっていることを良い意味で盗む.

講習など

  • 学内で講座や講習が開講されている.
  • 教育情報メディアセンター,ライティングセンターなど

参考文献

インターネットリソース