坪田・井上・中原-坪田・内田・向井 2015

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坪田ほか (2014)

文献(出典)

  • 坪田博美・井上侑哉・中原-坪田美保・内田慎治・向井誠二. 2014 (2015). 標本同定のツールとしてのDNAバーコーディング-植物標本の例-. 広島大学総合博物館研究報告 6: 41-49.

ノート

  • 広島大学植物標本庫に収蔵されていた維管束植物の標本についてDNAバーコーディングを行った.
  • 実際の出版は,2015年2月.

Abstract

Tsubota, H., Inoue, Y., Nakahara-Tsubota, M., Uchida, S. & Mukai, S. 2014 (2015). DNA barcoding as a supporting tool for identification of undetermined herbarium specimens, with special reference for dried plant specimens. Bull. Hiroshima Univ. Museum 6: 41-49.

要旨

坪田博美・井上侑哉・中原-坪田美保・内田慎治・向井誠二. 2014 (2015). 標本同定のツールとしてのDNAバーコーディング-植物標本の例-. 広島大学総合博物館研究報告 6: 41-49.

生物学的な研究を行う際の基礎資料として標本は必要不可欠であるが,その状態によっては形態による同定が困難な場合がある.近年DNAバーコーディングによる種の同定が行われるようになっている.今回,広島大学植物標本庫HIROに収蔵されている標本のうち,完全標本でないものを対象にDNAバーコーディングを行った.その結果,沖縄県産の標本から移入植物と考えられるRuellia longepetiolata (Oerst.) Hemsl.を確認し,DNAバーコーディングが標本の管理に有効であることが示された.一方で,沖縄産の標本からハイノキ属Symplocosの一種を確認したが,データベースに登録されている配列とは一致しなかった.この標本については種レベルの同定を行うためさらに検討が必要である.このような場合,形態の検討が重要であり,配列データだけに頼った判断には注意が必要である.本研究の結果,DNAバーコーディングが,完全でない標本の同定に有効であること,その際に分子系統解析を併用することでさらに効果があがること,配列情報だけを使った同定にも限界が存在することが明らかになった.

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