「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

提供: 広島大学デジタル博物館
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*2020.08.24-30 東広島キャンパスでは秋の鳴く虫が多く出現しています.[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]や[[マツムシ_広島大学東広島キャンパス|マツムシ]]は[[ススキ]]などが茂る草地で鳴き声を聞くことができます.[[カンタン_広島大学東広島キャンパス|カンタン]]は[[クズ]]や[[ツクシハギ]]が生える草地で見られ,「ルルルルル…」と透き通った声で鳴きます.[[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマコオロギ]]や[[ミツカドコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ミツカドコオロギ]],[[ツヅレサセコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ツヅレサセコオロギ]]などのコオロギ類も出現しています.([[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマ]]は「コロコロリー」,[[ミツカドコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ミツカド]]は「ジッ・ジッ・ジッ」,[[ツヅレサセコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ツヅレサセ]]は「リー・リー・リー」といずれも地表付近で鳴く.)[[ヤマトヒバリ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトヒバリ]]や[[クサヒバリ_広島大学東広島キャンパス|クサヒバリ]],[[オナガササキリ_広島大学東広島キャンパス|オナガササキリ]]は林縁部で鳴き声を聞く機会が多いです.[[マツムシモドキ_広島大学東広島キャンパス|マツムシモドキ]]や[[ウスグモスズ_広島大学東広島キャンパス|ウスグモスズ]]はそれぞれマツムシ科,ヒバリモドキ科に属しますが,いずれも鳴かない種です.[[クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス|クマスズムシ]]はスズムシではなくコオロギに近縁で,独特な高い声で鳴きます.
 
*2020.08.24-30 東広島キャンパスでは秋の鳴く虫が多く出現しています.[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]や[[マツムシ_広島大学東広島キャンパス|マツムシ]]は[[ススキ]]などが茂る草地で鳴き声を聞くことができます.[[カンタン_広島大学東広島キャンパス|カンタン]]は[[クズ]]や[[ツクシハギ]]が生える草地で見られ,「ルルルルル…」と透き通った声で鳴きます.[[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマコオロギ]]や[[ミツカドコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ミツカドコオロギ]],[[ツヅレサセコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ツヅレサセコオロギ]]などのコオロギ類も出現しています.([[エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス|エンマ]]は「コロコロリー」,[[ミツカドコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ミツカド]]は「ジッ・ジッ・ジッ」,[[ツヅレサセコオロギ_広島大学東広島キャンパス|ツヅレサセ]]は「リー・リー・リー」といずれも地表付近で鳴く.)[[ヤマトヒバリ_広島大学東広島キャンパス|ヤマトヒバリ]]や[[クサヒバリ_広島大学東広島キャンパス|クサヒバリ]],[[オナガササキリ_広島大学東広島キャンパス|オナガササキリ]]は林縁部で鳴き声を聞く機会が多いです.[[マツムシモドキ_広島大学東広島キャンパス|マツムシモドキ]]や[[ウスグモスズ_広島大学東広島キャンパス|ウスグモスズ]]はそれぞれマツムシ科,ヒバリモドキ科に属しますが,いずれも鳴かない種です.[[クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス|クマスズムシ]]はスズムシではなくコオロギに近縁で,独特な高い声で鳴きます.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200825スズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131641s.jpg|250px|thumb|right|鳴くスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)|link=スズムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200825スズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131641s.jpg|250px|thumb|right|鳴くスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
|[[ファイル: 20200825マツムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131650s.jpg|250px|thumb|right|鳴くマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)|link=マツムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200825マツムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131650s.jpg|250px|thumb|right|鳴くマツムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
|[[ファイル: 20200827カンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132305s.jpg|250px|thumb|right|[[クズ]]の葉の隙間から鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=カンタン_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827カンタン成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132305s.jpg|250px|thumb|right|[[クズ]]の葉の隙間から鳴くカンタンの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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|[[ファイル: 20200827エンマコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132312s.jpg|250px|thumb|right|エンマコオロギの成虫(オス).オスも丸みを帯びた頭部をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=エンマコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200827ミツカドコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132341s.jpg|250px|thumb|right|ミツカドコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=ミツカドコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827エンマコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132312s.jpg|250px|thumb|right|エンマコオロギの成虫(オス).オスも丸みを帯びた頭部をしている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
|[[ファイル: 20200828ツヅレサセコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132820s.jpg|250px|thumb|right|鳴くツヅレサセコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)|link=ツヅレサセコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827ミツカドコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132341s.jpg|250px|thumb|right|ミツカドコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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ファイル: 20200828ツヅレサセコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132820s.jpg|250px|thumb|right|鳴くツヅレサセコオロギの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
|[[ファイル: 20200825ヤマトヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131632s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)|link=ヤマトヒバリ_広島大学東広島キャンパス]]
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</gallery>
|[[ファイル: 20200827クサヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132268s.jpg|250px|thumb|right|クサヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=クサヒバリ_広島大学東広島キャンパス]]
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200827オナガササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132372s.jpg|250px|thumb|right|鳴くオナガササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=オナガササキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200825ヤマトヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131632s.jpg|250px|thumb|right|ヤマトヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
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ファイル: 20200827クサヒバリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132268s.jpg|250px|thumb|right|クサヒバリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
|[[ファイル: 20200828マツムシモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132832s.jpg|250px|thumb|right|マツムシモドキの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)|link=マツムシモドキ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827オナガササキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132372s.jpg|250px|thumb|right|鳴くオナガササキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
|[[ファイル: 20200827ウスグモスズ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132270s.jpg|250px|thumb|right|ウスグモスズの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=ウスグモスズ_広島大学東広島キャンパス]]
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</gallery>
|[[ファイル: 20200827クマスズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132288s.jpg|250px|thumb|right|クマスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=クマスズムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|}
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ファイル: 20200828マツムシモドキ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132832s.jpg|250px|thumb|right|マツムシモドキの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)  
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ファイル: 20200827ウスグモスズ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132270s.jpg|250px|thumb|right|ウスグモスズの成虫(オス).鳴かない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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ファイル: 20200827クマスズムシ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132288s.jpg|250px|thumb|right|クマスズムシの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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</gallery>
  
 
[[ヤママユ_広島大学東広島キャンパス|ヤママユ]]は大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.[[ヤホシホソマダラ_広島大学東広島キャンパス|ヤホシホソマダラ]]は胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.[[ヒメクロホウジャク_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロホウジャク]]も昼行性で,[[ミソハギ]]の花に訪花していました.
 
[[ヤママユ_広島大学東広島キャンパス|ヤママユ]]は大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.[[ヤホシホソマダラ_広島大学東広島キャンパス|ヤホシホソマダラ]]は胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.[[ヒメクロホウジャク_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロホウジャク]]も昼行性で,[[ミソハギ]]の花に訪花していました.
  
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|[[ファイル: 20200825ヤママユ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131671s.jpg|250px|thumb|right|ヤママユの成虫(メス).翅の色には変異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)|link=ヤママユ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200825ヤママユ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131671s.jpg|250px|thumb|right|ヤママユの成虫(メス).翅の色には変異がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 25, 2020)
|[[ファイル: 20200828ヤホシホソマダラ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132791s.jpg|250px|thumb|right|ヤホシホソマダラの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)|link=ヤホシホソマダラ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200828ヤホシホソマダラ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132791s.jpg|250px|thumb|right|ヤホシホソマダラの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
|[[ファイル: 20200827ヒメクロホウジャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131955s.jpg|250px|thumb|right|ヒメクロホウジャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=ヒメクロホウジャク_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20200827ヒメクロホウジャク成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131955s.jpg|250px|thumb|right|ヒメクロホウジャクの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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トンボの仲間は,アカネ属の[[マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス|マユタテアカネ]]や[[ヒメアカネ_広島大学東広島キャンパス|ヒメアカネ]],[[マイコアカネ_広島大学東広島キャンパス|マイコアカネ]]の未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.[[アオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|アオイトトンボ]]や[[コバネアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|コバネアオイトトンボ]]は既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.[[カトリヤンマ_広島大学東広島キャンパス|カトリヤンマ]]などのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.
 
トンボの仲間は,アカネ属の[[マユタテアカネ_広島大学東広島キャンパス|マユタテアカネ]]や[[ヒメアカネ_広島大学東広島キャンパス|ヒメアカネ]],[[マイコアカネ_広島大学東広島キャンパス|マイコアカネ]]の未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.[[アオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|アオイトトンボ]]や[[コバネアオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス|コバネアオイトトンボ]]は既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.[[カトリヤンマ_広島大学東広島キャンパス|カトリヤンマ]]などのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200828マイコアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132462s.jpg|250px|thumb|right|マイコアカネの成虫(未成熟オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)|link=マイコアカネ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200828マイコアカネ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132462s.jpg|250px|thumb|right|マイコアカネの成虫(未成熟オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 28, 2020)
|[[ファイル: 20200827アオイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132111s.jpg|200px|thumb|right|[[ヒメキンミズヒキ]]にとまるアオイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=アオイトトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827アオイトトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_132111s.jpg|200px|thumb|right|[[ヒメキンミズヒキ]]にとまるアオイトトンボの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
|[[ファイル: 20200827カトリヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131716s.jpg|250px|thumb|right|カトリヤンマの成虫(オス).日中は薄暗い林内で休んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)|link=カトリヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200827カトリヤンマ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131716s.jpg|250px|thumb|right|カトリヤンマの成虫(オス).日中は薄暗い林内で休んでいることが多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 27, 2020)
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*2020.08.24 キャンパス内で[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]]や[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]],[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]],[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]が鳴いています.
 
*2020.08.24 キャンパス内で[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]]や[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]],[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]],[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]]が鳴いています.
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*2020.08.11 ががら山の麓の[[ススキ]]群落で[[カヤキリ_広島大学東広島キャンパス|カヤキリ]]を観察することができました.[[カヤキリ_広島大学東広島キャンパス|カヤキリ]]は日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高い[[ススキ]]や[[ヨシ]]が茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になった[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]を観察することができました.
 
*2020.08.11 ががら山の麓の[[ススキ]]群落で[[カヤキリ_広島大学東広島キャンパス|カヤキリ]]を観察することができました.[[カヤキリ_広島大学東広島キャンパス|カヤキリ]]は日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高い[[ススキ]]や[[ヨシ]]が茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になった[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]を観察することができました.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200811カヤキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130346s.jpg|250px|thumb|right|[[ススキ]]にとまるカヤキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=カヤキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811カヤキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130346s.jpg|250px|thumb|right|[[ススキ]]にとまるカヤキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
|[[ファイル: 20200811カヤキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130360s.jpg|250px|thumb|right|カヤキリの成虫(オス).頭頂はやや尖るが,[[クビキリギス_広島大学東広島キャンパス|クビキリギス]]ほどではない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=カヤキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811カヤキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130360s.jpg|250px|thumb|right|カヤキリの成虫(オス).頭頂はやや尖るが,[[クビキリギス_広島大学東広島キャンパス|クビキリギス]]ほどではない.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
|[[ファイル: 20200811オオカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130404s.jpg|250px|thumb|right|羽化したばかりのオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811オオカマキリ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130404s.jpg|250px|thumb|right|羽化したばかりのオオカマキリの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
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山地に生息する傾向の強い[[ハサミツノカメムシ_広島大学東広島キャンパス|ハサミツノカメムシ]]を観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.[[ヒゲナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス|ヒゲナガサシガメ]]は幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.[[アオバハゴロモ_広島大学東広島キャンパス|アオバハゴロモ]]は広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.
 
山地に生息する傾向の強い[[ハサミツノカメムシ_広島大学東広島キャンパス|ハサミツノカメムシ]]を観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.[[ヒゲナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス|ヒゲナガサシガメ]]は幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.[[アオバハゴロモ_広島大学東広島キャンパス|アオバハゴロモ]]は広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200811ハサミツノカメムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130376s.jpg|250px|thumb|right|ハサミツノカメムシの成虫(メス).胸部の両端が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=ハサミツノカメムシ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811ハサミツノカメムシ成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130376s.jpg|250px|thumb|right|ハサミツノカメムシの成虫(メス).胸部の両端が赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
|[[ファイル: 20200811ヒゲナガサシガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130390s.jpg|250px|thumb|right|ヒゲナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=ヒゲナガサシガメ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811ヒゲナガサシガメ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130390s.jpg|250px|thumb|right|ヒゲナガサシガメの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|
|[[ファイル: 20200811アオバハゴロモ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130053s.jpg|250px|thumb|right|アオバハゴロモの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=アオバハゴロモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811アオバハゴロモ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130053s.jpg|250px|thumb|right|アオバハゴロモの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
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東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスでは[[コガネグモ_広島大学東広島キャンパス|コガネグモ]]は草地や森林が接するような環境で,[[ナガコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|ナガコガネグモ]]はやや湿った草地で,[[ムシバミコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|ムシバミコガネグモ]]は林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏には[[ふれあいビオトープ]]を中心に[[チュウガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|チュウガタコガネグモ]]が,これからの季節は薄暗い林縁部では[[コガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|コガタコガネグモ]]が観察できます.
 
東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスでは[[コガネグモ_広島大学東広島キャンパス|コガネグモ]]は草地や森林が接するような環境で,[[ナガコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|ナガコガネグモ]]はやや湿った草地で,[[ムシバミコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|ムシバミコガネグモ]]は林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏には[[ふれあいビオトープ]]を中心に[[チュウガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|チュウガタコガネグモ]]が,これからの季節は薄暗い林縁部では[[コガタコガネグモ_広島大学東広島キャンパス|コガタコガネグモ]]が観察できます.
  
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|[[ファイル: 20200805コガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128691s.jpg|250px|thumb|right|コガネグモの成体(メス).林縁部や草地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=コガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200805コガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128691s.jpg|250px|thumb|right|コガネグモの成体(メス).林縁部や草地などで見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
|[[ファイル: 20200811ナガコガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130251s.jpg|250px|thumb|right|ナガコガネグモの成体(メス).草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)|link=ナガコガネグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200811ナガコガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_130251s.jpg|250px|thumb|right|ナガコガネグモの成体(メス).草地に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 11, 2020)
|[[ファイル: 20200805ムシバミコガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128903s.jpg|250px|thumb|right|ムシバミコガネグモの成体(メス).林縁部に見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=ムシバミコガネグモ_広島大学東広島キャンパス]] 
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ファイル: 20200805ムシバミコガネグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128903s.jpg|250px|thumb|right|ムシバミコガネグモの成体(メス).林縁部に見られた.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
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*2020.07.30-08.07 東広島キャンパスで[[マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス|マメイタイセキグモ]]と[[カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス|カトウツケオグモ]]を観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.[[マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス|マメイタイセキグモ]]はいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.[[カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス|カトウツケオグモ]]も,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.
 
*2020.07.30-08.07 東広島キャンパスで[[マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス|マメイタイセキグモ]]と[[カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス|カトウツケオグモ]]を観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.[[マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス|マメイタイセキグモ]]はいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.[[カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス|カトウツケオグモ]]も,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200807マメイタイセキグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129861s.jpg|250px|thumb|right|マメイタイセキグモの成体(メス).粘球がついた糸を振り回し,小型の蛾に付着させて捕らえる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807マメイタイセキグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129861s.jpg|250px|thumb|right|マメイタイセキグモの成体(メス).粘球がついた糸を振り回し,小型の蛾に付着させて捕らえる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
|[[ファイル: 20200804マメイタイセキグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128352s.jpg|250px|thumb|right|蛾を捕らえたマメイタイセキグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)|link=マメイタイセキグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200804マメイタイセキグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128352s.jpg|250px|thumb|right|蛾を捕らえたマメイタイセキグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
|[[ファイル: 20200731カトウツケオグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127884s.jpg|250px|thumb|right|カトウツケオグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)|link=カトウツケオグモ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200731カトウツケオグモ成体メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127884s.jpg|250px|thumb|right|カトウツケオグモの成体(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
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東広島キャンパスでは[[アキノタムラソウ]]が咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回は[[ナミルリモンハナバチ_広島大学東広島キャンパス|ナミルリモンハナバチ]]とその寄生対象とされる[[スジボソコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス|スジボソコシブトハナバチ]],さらに[[シロスジコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス|シロスジコシブトハナバチ]]を観察することができました.
 
東広島キャンパスでは[[アキノタムラソウ]]が咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回は[[ナミルリモンハナバチ_広島大学東広島キャンパス|ナミルリモンハナバチ]]とその寄生対象とされる[[スジボソコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス|スジボソコシブトハナバチ]],さらに[[シロスジコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス|シロスジコシブトハナバチ]]を観察することができました.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200806ナミルリモンハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129581s2.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]に訪花するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=ナミルリモンハナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200806ナミルリモンハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129581s2.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]に訪花するナミルリモンハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
|[[ファイル: 20200805シロスジコシブトハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128921s.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]に訪花するシロスジコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=シロスジコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200805シロスジコシブトハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128921s.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]に訪花するシロスジコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
|[[ファイル: 20200805スジボソコシブトハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129113s.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]から吸蜜するスジボソコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=スジボソコシブトハナバチ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200805スジボソコシブトハナバチ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129113s.jpg|250px|thumb|right|[[アキノタムラソウ]]から吸蜜するスジボソコシブトハナバチの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
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角脇調整池の岸辺では[[ツチガエル_広島大学東広島キャンパス|ツチガエル]]のオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.([[ツチガエル|広島県のツチガエル]]のページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超える[[ヒバカリ]]の成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコの[[ソライロタケ_広島大学東広島キャンパス|ソライロタケ]]を観察することができました.
 
角脇調整池の岸辺では[[ツチガエル_広島大学東広島キャンパス|ツチガエル]]のオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.([[ツチガエル|広島県のツチガエル]]のページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超える[[ヒバカリ]]の成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコの[[ソライロタケ_広島大学東広島キャンパス|ソライロタケ]]を観察することができました.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200731ソライロタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127786s.jpg|250px|thumb|right|ソライロタケ.林床で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)|link=ソライロタケ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200731ソライロタケ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127786s.jpg|250px|thumb|right|ソライロタケ.林床で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)|
|[[ファイル: 20200804ツチガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128642s.jpg|250px|thumb|right|鳴くツチガエルの成体(オス).「ギュー、ギュー」という音を発する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)|link=ツチガエル_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200804ツチガエル成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128642s.jpg|250px|thumb|right|鳴くツチガエルの成体(オス).「ギュー、ギュー」という音を発する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 4, 2020)
|[[ファイル: 20200807ヒバカリ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129824s.jpg|250px|thumb|right|ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=ヒバカリ]]
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ファイル: 20200807ヒバカリ成蛇_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129824s.jpg|250px|thumb|right|ヒバカリの成蛇.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
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東広島キャンパスのため池には[[ギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ギンヤンマ]]や[[ショウジョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|ショウジョウトンボ]]など,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.[[チョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|チョウトンボ]]は青い光沢感のある翅が特徴的で,[[ヒシ]]や[[ガマ]]などの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボには[[ウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ウチワヤンマ]]や[[タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|タイワンウチワヤンマ]]がいます.[[タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|タイワンウチワヤンマ]]は元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.
 
東広島キャンパスのため池には[[ギンヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ギンヤンマ]]や[[ショウジョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|ショウジョウトンボ]]など,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.[[チョウトンボ_広島大学東広島キャンパス|チョウトンボ]]は青い光沢感のある翅が特徴的で,[[ヒシ]]や[[ガマ]]などの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボには[[ウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|ウチワヤンマ]]や[[タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|タイワンウチワヤンマ]]がいます.[[タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス|タイワンウチワヤンマ]]は元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.
  
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|[[ファイル: 20200806チョウトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129241s.jpg|250px|thumb|right|チョウトンボの成虫(オス).西条では大変個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=チョウトンボ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200806チョウトンボ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129241s.jpg|250px|thumb|right|チョウトンボの成虫(オス).西条では大変個体数が多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
|[[ファイル: 20200806ウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129438s.jpg|250px|thumb|right|ウチワヤンマの成虫.団扇の中に黄斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=ウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200806ウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129438s.jpg|250px|thumb|right|ウチワヤンマの成虫.団扇の中に黄斑がある.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
|[[ファイル: 20200806タイワンウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129261s.jpg|250px|thumb|right|タイワンウチワヤンマの成虫.団扇の中に斑紋はないため,全体が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=タイワンウチワヤンマ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200806タイワンウチワヤンマ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129261s.jpg|250px|thumb|right|タイワンウチワヤンマの成虫.団扇の中に斑紋はないため,全体が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
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晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間は[[カキノキ]]や[[クリ]]など広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここでは[[イラガ_広島大学東広島キャンパス|イラガ]],[[アオイラガ_広島大学東広島キャンパス|アオイラガ]]、[[アカイラガ_広島大学東広島キャンパス|アカイラガ]],[[ヒメクロイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロイラガ]],[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]],[[テングイラガ_広島大学東広島キャンパス|テングイラガ]]の6種を紹介します.
 
晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間は[[カキノキ]]や[[クリ]]など広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここでは[[イラガ_広島大学東広島キャンパス|イラガ]],[[アオイラガ_広島大学東広島キャンパス|アオイラガ]]、[[アカイラガ_広島大学東広島キャンパス|アカイラガ]],[[ヒメクロイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒメクロイラガ]],[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]],[[テングイラガ_広島大学東広島キャンパス|テングイラガ]]の6種を紹介します.
  
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200807イラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129716s.jpg|250px|thumb|right|イラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=イラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807イラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129716s.jpg|250px|thumb|right|イラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
|[[ファイル: 20200807アオイラガ幼虫東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129710s.jpg|250px|thumb|right|アオイラガの幼虫.[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]の幼虫に似るが,背面中央の青帯は一様に色がついている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=アオイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807アオイラガ幼虫東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129710s.jpg|250px|thumb|right|アオイラガの幼虫.[[ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス|ヒロヘリアオイラガ]]の幼虫に似るが,背面中央の青帯は一様に色がついている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
|[[ファイル: 20200807アカイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129683s.jpg|250px|thumb|right|アカイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=アカイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807アカイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129683s.jpg|250px|thumb|right|アカイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
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|[[ファイル: 20200807ヒメクロイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129671s.jpg|250px|thumb|right|[[カキノキ]]を食べるヒメクロイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=ヒメクロイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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<gallery mode="nolines" widths="250" heights="250">
|[[ファイル: 20200805ヒロヘリアオイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128664s.jpg|250px|thumb|right|ヒロヘリアオイラガの幼虫.背面中央の青帯は斑状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=ヒロヘリアオイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807ヒメクロイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129671s.jpg|250px|thumb|right|[[カキノキ]]を食べるヒメクロイラガの幼虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
|[[ファイル: 20200807テングイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129675s.jpg|250px|thumb|right|テングイラガの幼虫.10mmほどの大きさ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=テングイラガ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200805ヒロヘリアオイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_128664s.jpg|250px|thumb|right|ヒロヘリアオイラガの幼虫.背面中央の青帯は斑状になっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
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ファイル: 20200807テングイラガ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129675s.jpg|250px|thumb|right|テングイラガの幼虫.10mmほどの大きさ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
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東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミや[[キリギリス_広島大学東広島キャンパス|キリギリス(ニシキリギリス)]]が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]],[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]],[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]],[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]],[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]],[[ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス|ヒグラシ]]の6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのは[[ハヤシノウマオイ_広島大学東広島キャンパス|ハヤシノウマオイ]]で,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.
 
東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミや[[キリギリス_広島大学東広島キャンパス|キリギリス(ニシキリギリス)]]が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,[[アブラゼミ_広島大学東広島キャンパス|アブラゼミ]],[[クマゼミ_広島大学東広島キャンパス|クマゼミ]],[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]],[[ミンミンゼミ_広島大学東広島キャンパス|ミンミンゼミ]],[[ツクツクボウシ_広島大学東広島キャンパス|ツクツクボウシ]],[[ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス|ヒグラシ]]の6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのは[[ハヤシノウマオイ_広島大学東広島キャンパス|ハヤシノウマオイ]]で,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.
  
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|[[ファイル: 20200731ニイニイゼミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127631s.jpg|250px|thumb|right|ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)|link=ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200731ニイニイゼミ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127631s.jpg|250px|thumb|right|ニイニイゼミの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
|[[ファイル: 20200730ヒグラシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131863s.jpg|200px|thumb|right|ヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2020)|link=ヒグラシ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200730ヒグラシ成虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_131863s.jpg|200px|thumb|right|ヒグラシの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 30, 2020)
|[[ファイル: 20200731ニシキリギリス成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127600s.jpg|250px|thumb|right|ニシキリギリスの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)|link=キリギリス_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200731ニシキリギリス成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_127600s.jpg|250px|thumb|right|ニシキリギリスの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 31, 2020)
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|[[ファイル: 20200805ハヤシノウマオイ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129177s.jpg|250px|thumb|right|ハヤシノウマオイの成虫(オス).「スィーッチョン」とゆっくりとしたテンポで鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)|link=ハヤシノウマオイ_広島大学東広島キャンパス]]
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|[[ファイル: 20200807タンボコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129750s.jpg|250px|thumb|right|タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)|link=タンボコオロギ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200805ハヤシノウマオイ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129177s.jpg|250px|thumb|right|ハヤシノウマオイの成虫(オス).「スィーッチョン」とゆっくりとしたテンポで鳴く.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 5, 2020)
|[[ファイル: 20200806ツマグロバッタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129411s.jpg|200px|thumb|right|ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)|link=ツマグロバッタ_広島大学東広島キャンパス]]
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ファイル: 20200807タンボコオロギ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129750s.jpg|250px|thumb|right|タンボコオロギの成虫(オス).初夏に多いコオロギで休耕田などの湿った場所で見られる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 7, 2020)
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ファイル: 20200806ツマグロバッタ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_129411s.jpg|200px|thumb|right|ツマグロバッタの成虫(オス).翅の先や後脚の関節部が黒い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 6, 2020)
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==[[テンプレート:東広島キャンパスの生き物|過去のニュース]]==
 
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2020年11月6日 (金) 22:54時点における版

広島大学 > デジタル自然史博物館 > メインページ > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスの動物 > 東広島キャンパスの生き物

キャンパスで現在見られる動物の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).解説ページの写真はクリックすると拡大します.

2020

11月

発見の小径ではアトリアオジの姿も見られます.ミツバアケビの実を食べるメジロの姿も見られました.

山の中を歩くとツグミ類の混群と遭遇することがあり,ツグミシロハラマミチャジナイクロツグミを確認することができました.また,特定外来生物に指定されているソウシチョウの姿を見ることもあります.本種は薄暗い林内を好み,同様の環境を好むウグイスとの競合が懸念されます.

アシナガバチ類が繁殖期を迎えています.特にセグロアシナガバチキアシナガバチのオスがよく見られます.トゲアリも繁殖期を迎えていて,巣の周りにオスの姿を確認することができました.

快晴の寒い朝には,ムラサキシジミが体温を上げるために翅を開く姿が見られます.開けた草地や荒地では、アカタテハがテリトリーを張っている姿が見られます.ため池の周辺ではオオアオイトトンボが飛んでいます.

10月

  • 2020.10.01-17 東広島キャンパスでシマアメンボの長翅型やヒメカマキリを観察することができました.シマアメンボはリンク先の写真のように無翅型の観察例が多いですが,稀に翅を有する成虫を見ることがあります.本種は山中谷川や角脇川などの淀みで普通に見られるので,是非探してみてください.ヒメカマキリはキャンパスでの個体数は多いですが,体長30mm前後と小型なのでやや見つけにくいカマキリです.特にオスは敏捷に走り,飛翔します.

荒地などではヨモギの花穂に擬態していると考えられるハイイロセダカモクメの幼虫が見られます.また,スズメバチやアシナガバチが繁殖期に入り,オスのハチが時々見つかるようになりました.オオスズメバチの働きバチは依然として樹液を独占しており,林縁部を歩く際は注意が必要です.

10月上~中旬にキャンパスで見られた赤とんぼです.ネキトンボは翅の基部が褐色であることが特徴で,ショウジョウトンボによく似ていますが,ネキトンボには胸部側面に明瞭な黒筋があるほか,脚までは赤くないなどの違いがあります.キトンボは翅の基部から中ほどまで黄褐色になるのが特徴のトンボで,12月まで生きていることがあります.リスアカネはやや薄暗いため池の周縁に見られます.


生態実験園などでは渡りをするチョウ,アサギマダラを観察することができました.しばしばミゾソバサワヒヨドリに訪花しています.ナミアゲハヒガンバナで,ツマグロキチョウアキノノゲシキツネノマゴで吸蜜する姿も見られました. ササ類につくアブラムシにはゴイシシジミがやって来ることがあります.幼虫はこれらのアブラムシを捕食し,成虫は彼らが出す甘露を吸います.ウラナミシジミクロマダラソテツシジミは南方から飛来し本土で発生を繰り返しますが,冬には死滅します.(無効分散)

秋のヤママユガ類であるクスサンが出現しています.昨年に比べ発生数は少ない印象です.ウスバツバメガは昼行性の蛾で,サクラ並木をヒラヒラと舞います.ミツバアケビの実の汁を吸うアケビコノハも見られました.

9月

  • 2020.09.13-28 東広島キャンパスでコガタノゲンゴロウを観察することができました.コガタノゲンゴロウは1950年代以降大きく数を減らしたゲンゴロウの一種で絶滅が心配される種でしたが,近年急激に分布を拡大しており,個体数も回復しています.マルチビゲンゴロウは微小なゲンゴロウ類で,こちらは近年減少傾向にあり環境省RDBで準絶滅危惧種に選定されています.トガリアメンボは東南アジア原産の外来種で,その高い飛翔性から分布を拡大しています.

様々なヘビの幼体(幼蛇)を観察することができました.シマヘビジムグリは幼蛇と成蛇で色彩が異なります.一方,シロマダラは模様の変化が小さいです.


東広島キャンパスは鳥の秋の渡りシーズンに入り,エゾビタキコサメビタキなどが見られます.エゾビタキは胸から腹にかけての縦斑紋が特徴的で,コサメビタキにはこれがありません.この二種はしばしば「フライキャッチ(空中で羽虫を捕らえる)」をする様子を観察することができます.森林内ではオオムシクイの姿を見ることができます.外見でメボソムシクイやコムシクイといった類似種と識別するのは難しく,鳴き声によって同定することが求められます.


キャンパスのクモ類です.林縁部ではビジョオニグモがよく見られます.腹部には人の顔のような模様があり,個体によって表情も様々です.薄暗い林内ではキジロオヒキグモが見られました.特徴的な長い腹部をもつ記録の少ないクモです.トビズムカデは大型のムカデで,夜間道路や樹幹を這っています.

セミや鳴く虫の紹介です.セイタカアワダチソウクズの生える乾いた草地では,ヒロバネカンタンが鳴いています.カンタンとは異なり,「リー・リー」と音を引き延ばします.アカマツ林の樹上ではチッチゼミが鳴いています.小型種で高枝にいることが多いため姿の観察は困難ですが,「チッチッチッチ...」という鳴き声はよく聞くことができます.生態実験園ではミンミンゼミアキニレの枝に産卵する様子が見られました.

ササキリの仲間です.ササキリはやや薄暗い林縁部で「ジリジリジリジリ…」と鳴きます.複眼が真っ黒なのが特徴です.ホシササキリウスイロササキリは明るい草地で「シリリリリリ…」と鳴く,ともに似たササキリです.ホシササキリは乾燥した草地に多く,翅の側面に黒斑を有します.ウスイロササキリはやや湿った草地を好み,翅が長く目立った斑紋もありません.

クマスズムシは畑地や林床などに見られるコオロギで,「シュリシュリシュリ…キーーーーーン」という独特な声で鳴きます.カネタタキは樹上で「チン・チン・チン」と鳴きます.ツユムシは明るい草地で見られ,「ピチッ・ピチッ」と小さく鳴きます.

セスジツユムシは発見の小径で最も見られるツユムシで,オスは主に夜間,「チチチチチ…ジーチョ・ジーチョ」と鳴きます.サトクダマキモドキヤマクダマキモドキは落葉広葉樹林の林縁部に多く見られます.両種はよく似ていますが,サトでは前脚が緑色の個体が多く,ヤマでは前脚が赤く色づきます.

9月に見られた主なチョウです.ナガサキアゲハは黒を基調とした大型のアゲハで,メスは前翅の基部に赤い斑紋があり,後翅には白い斑紋が並びます.ウラギンシジミはオスの翅表の斑紋が赤褐色であり,メスとの識別点になります.ツマグロキチョウは食草のカワラケツメイの減少とともに全国的に減っていますが,東広島では毎年安定して観察することができます.

トンボの紹介です.水草の豊富な池ではムスジイトトンボが見られます.オオイトトンボによく似ており,細かな違いを確認する必要があります.オオルリボシヤンマは過去のトンボ相調査(青山ほか 2014)でも記録がなく,キャンパス内のため池で発生した個体かどうかは不明です.浅くなった泥地ではマユタテアカネの連結産卵が見られます.

キャンパスで見られる個性的なイモムシです.ウラギンシジミの幼虫は尻の方に二本の角をもち,刺激を受けるとここから線香花火のような突起を出します.シンジュサンの幼虫は青白い体色に短い突起が並んでいるのが特徴です.シャチホコガの幼虫は刺激を受けると反り返り,長い胸脚を広げて体を震わせます.

他の虫に擬態していると考えられる生き物を紹介します.ホソヘリカメムシの若齢幼虫は非常にアリに似た姿形をしていますが,鋭い口吻があるのでカメムシであることがわかります.キボシマルウンカは様々な植物につく6-7mmほどの昆虫で,テントウムシに酷似しますが,ウンカに近縁な昆虫です.オドリハマキモドキは翅を立たせながら葉上をせわしなく動き回ります.前翅の先端に並ぶ黒い斑紋がハエトリグモの目のように見え,小刻みに跳ねながら動くさまもそっくりです.

広義のバッタ類です.クルマバッタは東広島キャンパスでは限られた草地でしか観察することができません.クルマバッタモドキトノサマバッタに似ていますが,胸部背面がやや盛り上がること,飛ぶとき後翅に黒い輪っか模様が確認できること,翅の模様など総合的に見ると識別可能です.アシグロツユムシは林縁部などで見られるツユムシの仲間で,「ジキ・ジキ...」と目立たない声で鳴きます.アオマツムシは明治頃に帰化したとされる外来種です.街路樹や雑木林などの樹上で「チリー・チリー!」と騒がしく鳴きます.


カマキリ類も発生しています.ハラビロカマキリは樹上で見られるカマキリで,昨年キャンパスで確認された外来種のムネアカハラビロカマキリとの競合が懸念されます.チョウセンカマキリオオカマキリに酷似しますが,やや開けた草地などの環境を好みます.詳しい解説はそれぞれの個別ページをご覧ください.コカマキリは地表付近で見られるカマキリで,前脚の脛節の内側の斑紋が特徴です.


キャンパス内の小川ではハグロトンボがよく見られます.翅がすべて黒く,オスは腹部が金緑色に輝くので大変印象的です.アジアイトトンボはため池や湿地で見られ,アオモンイトトンボに似ていますが一回り小さいです.オニヤンマは日本最大のトンボで,ゆったりと飛翔するさまは圧巻です.

8月

ヤママユは大型の蛾で,晩夏から初秋にかけて出現します.ヤホシホソマダラは胴体が青く輝く美しい昼行性の蛾で,キャンパスでは6-7月と9-10月に開けた草地で観察することができます.ヒメクロホウジャクも昼行性で,ミソハギの花に訪花していました.

トンボの仲間は,アカネ属のマユタテアカネヒメアカネマイコアカネの未成熟個体をため池や湿地の周辺で観察することができます.アオイトトンボコバネアオイトトンボは既に成熟しており,林縁部の草本にとまる姿が見られます.カトリヤンマなどのヤンマは日中は不活発ですが夕方になると活発に飛翔します.

  • 2020.08.11 ががら山の麓のススキ群落でカヤキリを観察することができました.カヤキリは日本最大の鳴く虫かつ日本最大級のキリギリスで,丈の高いススキヨシが茂る草原で「ジーーーー」という大きな声で鳴きます.また,成虫になったオオカマキリを観察することができました.

山地に生息する傾向の強いハサミツノカメムシを観察することができました.オスの腹部の先には赤い鋏状の突起(生殖節)が見られますが,メスでは見られません.ヒゲナガサシガメは幼虫で越冬するサシガメで,樹上や山際の手すりでよく見られます.アオバハゴロモは広葉樹や草本の枝や茎についている様子がよく見られ,キャンパスでの個体数も多いです.

東広島キャンパスで見られるコガネグモ類です.キャンパスではコガネグモは草地や森林が接するような環境で,ナガコガネグモはやや湿った草地で,ムシバミコガネグモは林縁の人工物の周辺で見られることが多いです.初夏にはふれあいビオトープを中心にチュウガタコガネグモが,これからの季節は薄暗い林縁部ではコガタコガネグモが観察できます.

  • 2020.07.30-08.07 東広島キャンパスでマメイタイセキグモカトウツケオグモを観察することができました.両種とも全国的に記録の少ない種です.マメイタイセキグモはいわゆるナゲナワグモであり,湿度の高い夜間にススキ原などで粘球を振り回し,小型の蛾を誘因して捕らえます.カトウツケオグモも,何らかの手段でハエを誘引しているのではないかという説がありますが,詳しいことは分かっていません.

東広島キャンパスではアキノタムラソウが咲いており,チョウやハチの仲間が訪花します.今回はナミルリモンハナバチとその寄生対象とされるスジボソコシブトハナバチ,さらにシロスジコシブトハナバチを観察することができました.


角脇調整池の岸辺ではツチガエルのオスが鳴いています.「ギュー、ギュー」という低く濁った音が特徴です.(広島県のツチガエルのページもご覧ください.)また,カエルやミミズを狙ってか50cmを超えるヒバカリの成蛇も現れました.学内の山の林床では空色が美しいキノコのソライロタケを観察することができました.

東広島キャンパスのため池にはギンヤンマショウジョウトンボなど,多様なトンボが見られます.ここでは3種取り上げたいと思います.チョウトンボは青い光沢感のある翅が特徴的で,ヒシガマなどの水生植物が豊富な富栄養池に見られます.富栄養池を好むトンボにはウチワヤンマタイワンウチワヤンマがいます.タイワンウチワヤンマは元々九州などに分布していましたが,温暖化の影響で北上しているとされています.両種とも腹部先端のうちわ(団扇)が特徴です.

晩夏に野外観察をする上で気を付けたいのはイラガ(幼虫)の存在です.イラガの仲間はカキノキクリなど広葉樹の葉を食べ,多くの種が派手な色彩とトゲだらけの見た目をしていますが,葉裏にいることが多く中々存在に気づくことが難しいです.刺されると電気が走るような痛みを伴うことから「デンキムシ」の俗称があります.ここではイラガアオイラガアカイラガヒメクロイラガヒロヘリアオイラガテングイラガの6種を紹介します.

東広島キャンパスの朝から夕方にかけてはセミやキリギリス(ニシキリギリス)が鳴いています.キャンパスで夏に確認できるセミとしては,アブラゼミクマゼミニイニイゼミミンミンゼミツクツクボウシヒグラシの6種です.日が暮れると,秋の鳴く虫が鳴いています.この時期に多いのはハヤシノウマオイで,「スィーッチョン」と鳴きます.バッタの仲間も見られます.

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