「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

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*2022.05.31-06.06 シジミチョウの仲間でも初夏のみに見られるゼフィルスが,東広島キャンパスでも出現しました.いずれも[[コナラ]]や[[アベマキ]]などのドングリの木の周りを飛んでいます.
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*2022.06.24 [[ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス|ゲンジボタル]]の見頃がピークを過ぎました.皆さんはホタルの雌雄の違いをご存知でしょうか.実はホタルはオスだけではなくメスも発光するので,「光らないからメスである」というのは誤りです.ホタルが発光するのはお腹の節の末端部ですが,これが二節であればオスで,一節のみであればメスだとわかります.
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ファイル: 20220623ゲンジボタル_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_305375s.jpg|250px|thumb|right|ゲンジボタル.交尾をしようとしたが,両方オスであった.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2022))|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20220623ゲンジボタル成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_305392s.jpg|250px|thumb|right|ゲンジボタルの成虫(オス).第6・7腹節が両方発光器になっている.メスであれば,第7腹節は赤くなっている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 23, 2022)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20220620ゲンジボタル成虫メス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_305142.jpg|250px|thumb|right|ゲンジボタルの成虫(メス).第6腹節のみが発光器になっている.矢印で示しているのは第7腹節で,ここは発光しない(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 20, 2022)|link=ゲンジボタル_広島大学東広島キャンパス
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*2022.06.22 [[ハルゼミ_広島大学東広島キャンパス|ハルゼミ]]と入れ替わるようにして,[[ニイニイゼミ_広島大学東広島キャンパス|ニイニイゼミ]]が鳴き始めました.梅雨から初夏にかけてよく見られる灰褐色の小さなセミです.桜の木などの比較的低い場所に止まり「チィーーー」と長く鳴きますが,体色が樹皮と同化して声は聞こえるのになかなか姿が見つからない,ということもあります.
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*2022.06.01-10 アリと,アリに似た生き物を紹介します.[[ハリブトシリアゲアリ_広島大学東広島キャンパス|ハリブトシリアゲアリ]]が孵化したばかりの[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]の幼虫を襲っていました.成虫はあらゆる昆虫を捕食するカマキリも,幼虫の頃は様々な生き物の餌になっています.
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[[ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス|ヤサアリグモ]]はアリのようなクモ,アリグモの仲間です.[[ネザサ|ササ]]の葉の上を素早く歩き回っている姿がよく見られます.[[ヒメカマキリ_広島大学東広島キャンパス|ヒメカマキリ]]の幼虫は,一番若い時期はアリのように全身真っ黒でツヤのある見た目をしています.このようなアリに似た生き物はほかに[[ホソヘリカメムシ_広島大学東広島キャンパス|ホソヘリカメムシ]]や[[ケオビアリモドキ_広島大学東広島キャンパス|アリモドキ]]などがいます.
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ファイル: 20220601ハリブトシリアゲアリ働きアリ_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_299241s.jpg|250px|thumb|right|孵化直後の[[オオカマキリ_広島大学東広島キャンパス|オオカマキリ]]を襲うハリブトシリアゲアリの働きアリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 1, 2022)|link=ハリブトシリアゲアリ_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20220603ヤサアリグモ成体オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_299759s.jpg|250px|thumb|right|ヤサアリグモの成体(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 3, 2022)|link=ヤサアリグモ_広島大学東広島キャンパス
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ファイル: 20220610ヒメカマキリ幼虫_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_302600s.jpg|250px|thumb|right|ヒメカマキリの初齢幼虫.アリに似ている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 10, 2022)|link=ヒメカマキリ
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*2022.05.31-06.06 シジミチョウの仲間でも初夏にのみ見られるゼフィルスが,東広島キャンパスでも出現しました.いずれも[[コナラ]]や[[アベマキ]]などのドングリの木の周りを飛んでいます.
  
 
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2022年6月24日 (金) 19:51時点における版

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キャンパスで現在見られる動物の情報です.名前や写真をクリックすると解説ページに移動します.

2022

6月

  • 2022.06.24 ゲンジボタルの見頃がピークを過ぎました.皆さんはホタルの雌雄の違いをご存知でしょうか.実はホタルはオスだけではなくメスも発光するので,「光らないからメスである」というのは誤りです.ホタルが発光するのはお腹の節の末端部ですが,これが二節であればオスで,一節のみであればメスだとわかります.
  • 2022.06.22 ハルゼミと入れ替わるようにして,ニイニイゼミが鳴き始めました.梅雨から初夏にかけてよく見られる灰褐色の小さなセミです.桜の木などの比較的低い場所に止まり「チィーーー」と長く鳴きますが,体色が樹皮と同化して声は聞こえるのになかなか姿が見つからない,ということもあります.


  • 2022.06.01-10 アリと,アリに似た生き物を紹介します.ハリブトシリアゲアリが孵化したばかりのオオカマキリの幼虫を襲っていました.成虫はあらゆる昆虫を捕食するカマキリも,幼虫の頃は様々な生き物の餌になっています.

ヤサアリグモはアリのようなクモ,アリグモの仲間です.ササの葉の上を素早く歩き回っている姿がよく見られます.ヒメカマキリの幼虫は,一番若い時期はアリのように全身真っ黒でツヤのある見た目をしています.このようなアリに似た生き物はほかにホソヘリカメムシアリモドキなどがいます.


  • 2022.05.31-06.06 シジミチョウの仲間でも初夏にのみ見られるゼフィルスが,東広島キャンパスでも出現しました.いずれもコナラアベマキなどのドングリの木の周りを飛んでいます.

5月

  • 2022.05.07-10 甲虫はとても多様性に富む昆虫のグループで,美しく,面白い,色や形をしたものが多く見られます.ハラグロオオテントウは文字通り全長が12 mm以上もある巨大なテントウムシで,今年は各地での目撃情報が多いようです.アカガネサルハムシはタマムシ色の美しいハムシで,ノブドウエビヅルなどのブドウ類に見られます.タケトゲハムシはびっしりとトゲの生えた見た目をしており、ウスバザサなどの上にまれに見られます.


4月


  • 2022.04.01-15 枯葉に擬態するような形態をもつ,ガやチョウが見られました.エゾヨツメはヤママユガ科に属するガですが,大型のガが多いこの科にしては小柄で,翅を閉じてとまるという珍しい特徴があります.そのため,樹木の枝先にとまっているとまるで垂れ下がった枯葉のように見えます.アケビコノハも同様に枯葉そのもののような外見をしており,注目して探さなければとまっているものを見つけ出すことは困難です.一方で,両者は共通して翅の表側の普段見えない部分に,動物の眼のような派手な模様をもっています.仮に天敵の鳥類などに見つけ出されたとしても,翅を開いて威嚇することで助かる可能性を上げることができると考えられています.他にも,アケビコノハと同じエグリバの仲間アカエグリバや,薄暗い林を好むクロコノマチョウをはじめ,枯葉擬態の生き物は東広島キャンパスに多く生息しています.目を凝らして彼らを探してみるのもまた一興です.
  • この時期ならではの魅力的な昆虫たちも多く見られました.

2-3月

  • 2022.03.08 東広島キャンパスで多くのツグミ類を観察することができました.トラツグミはたくさんの黒い三日月状の斑紋が入る大型のツグミで,林縁部の芝地などで見ることができます.ツグミとその亜種ハチジョウツグミは,明るい芝生などでピョンピョン跳ねています.

シロハラアカハラは林縁部で落ち葉をガサガサとめくって餌となる昆虫を探しています.それらのツグミ類を狙い,ハイタカが姿を現すことがあります.

1月

  • 2022.01.14 ハヤブサ科のハヤブサチョウゲンボウは,近年都市部において建物などの建築物を利用して営巣するようになっています.したがってキャンパスにおいても学部棟や本部棟が,彼らの休息場所として利用されていることがあります.

 トウネズミモチにはツグミヒヨドリが採餌のために集まっていました.

  • 2022.01.06 あけましておめでとうございます.

冬に繁殖をする蛾を観察することができました.クロオビフユナミシャクシロオビフユシャクはそれぞれメスの翅が退化している「冬尺蛾」と呼ばれる種類です.メスは手すりや樹幹などでフェロモンを出し,飛翔するオスを引き寄せます(それぞれの種のオスの姿は,個別のページにおいて写真で見ることができます).ウスズミカレハはカレハガ科の蛾で,和名が指すように薄墨色をした蛾です.

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