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ヒコビアミニレター No. 304 (2005年4月4日)
2005年3月20日の第429回植物観察会は広島市似島で行われた.9時15分宇品港に集合.参加者42名.9時30分出航.9時50分似島学園前で下船.似島学園から安芸小富士(278 m)に向かってアセビ,ソヨゴ,イヌツゲ,リョウブを探しながら登る.まずリョウブが1本見つかる.中腹でアセビ(開花)が数本出現した.尾根筋で地面を這う形のソヨゴを1本見つける.山頂近くでイヌツゲが数本出現した.対岸本土では普通に見られるこれら4種が,似島では稀な存在になっているのは二次林資源の過剰な利用により群落が遷移段階の低いものに退行遷移した結果であると推定された.それは,常緑広葉樹としてシャシャンボ,ヤマモモ,ヒサカキ(開花)は多く見られるが,アラカシ,ヤブツバキ(開花),カナメモチなど照葉樹林要素の植物が少なく,コジイ,サカキ,ナナメノキはそれぞれ1本見つかったのみであることからも伺える.群落名で言えば,対岸本土の二次林の多くがアカマツ-アラカシ群集のコシダ亜群集に属するのに対し,似島の二次林の大部分は同群集のネズ亜群集に属することになる.どんよりとした天気で山頂からの眺望は余り良くなかったが,空気が澄んだ日であれば広島市街地を見下ろす絶景を見ることが出来るはずである.山頂付近に着いた正午前の時刻,福岡で大地震が発生.
(G. Toyohara 記)
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