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=ヒコビアミニレター No. 537(2022年05月22日)=
 
=ヒコビアミニレター No. 537(2022年05月22日)=
 [[植物観察会/KansatsukaiPageAnnai20220327|2022年3月27日の第660回植物観察会]]は広島県安芸郡海田町(かいたちょう)日浦山(ひのうらやま)で開催された.天気は晴れ.参加者xx名.新型コロナウイルス感染症の感染者数がやや下げ止まりであるが実施した.10時にJR海田市駅北口に集合.コースの説明の後,出発.海田市駅から東に進み,海田町役場前にある熊野神社に向かう.途中,山陽本線の線路沿いでナズナが開花.熊野神社ではムクノキの胸高直径を測定し,99.5 cmあった.境内にメリケントキンソウやスズメノカタビラ,オランダミミナグサ,キキョウソウ,ウラジロチチコグサなどの外来植物が多くあった.また,前回確認されていたツルドクダミも生育していた.その後,薬師禅寺から上がるルートを通って,山頂に向かう.アラカシやアベマキ,カゴノキ,ヤマザクラやコバノミツバツツジはちょうど開花していた.
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 [[植物観察会/KansatsukaiPageAnnai20220327|2022年3月27日の第660回植物観察会]]は広島県安芸郡海田町(かいたちょう)日浦山(ひのうらやま)で開催された.天気は晴れ.参加者28名.新型コロナウイルス感染症の感染者数がやや下げ止まりであるが実施した.10時にJR海田市駅北口に集合.コースの説明の後,出発.海田市駅から東に進み,海田町役場前にある熊野神社に向かう.途中,山陽本線の線路沿いで[[ナズナ]]が開花.熊野神社では[[ムクノキ]]の大きさを測定し,胸高直径99.5 cm,樹高7.5 mあった.境内に[[メリケントキンソウ]]や[[スズメノカタビラ]],[[オランダミミナグサ]],[[キキョウソウ]],[[ウラジロチチコグサ]]などの外来植物が多くあった.また,前回確認されていた[[ツルドクダミ]]も生育していた.その後,薬師禅寺から上がるルートを通って,山頂に向かった.[[アラカシ]]や[[アベマキ]],[[カゴノキ]],[[ナツハゼ]],[[エゴノキ]],[[クロキ]],[[ヤマモモ]],[[アカマツ]],[[シロダモ]],[[ナナミノキ]],[[シリブカガシ]],[[ザイフリボク]],[[ネズミモチ]],[[ヤマフジ]],[[シャシャンボ]],[[コシダ]]などをみた.[[ヤマザクラ]]や[[コバノミツバツツジ]]がちょうど開花していた.今回の目的の一つであった[[ゲンカイツツジ]]は,標高230 mあたりからではじめ,花を観察することができた.尾根筋のルートで明るい環境であったが,以前よりも樹木が生長しており,遷移が進んだ関係で[[ゲンカイツツジ]]の株の数がやや減少した印象であった.その後,尾根を進み,[[ヤブツバキ]]や[[リンボク]],[[ザイフリボク]],[[ホオノキ]]などをみた.頂上付近にも[[ゲンカイツツジ]]が生育していた.12時45分ころ頂上に到着.快晴で展望が良かった.食事の後,集合写真を撮影.帰りは大師寺へ向かうコースを下りた.途中,[[ウラジロ]]や[[シキミ]],[[リンボク]],[[コナラ]],[[タブノキ]],[[ヒサカキ]],[[ヤブニッケイ]],[[カナメモチ]],[[ザイフリボク]],[[ヤマザクラ]],[[コウヤボウキ]]などをみた.下山後,旧国道から海田市駅に向かい,14時40分頃流れ解散.日浦山は40年くらい前まで山火事が多くあった場所であるが,常緑樹林化が進んでいた.
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<div style="text-align:right">(H. Tsubota, Akemi Tsubota & Yoshiki Koyama 記)</div>
  
 
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==追補==
ゲンカイツツジ
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*[[ゲンカイツツジ|ゲンカイツツジ ''Rhododendron mucronulatum'' Turcz. var. ''ciliatum'' Nakai]] は中国・四国・九州に分布し,朝鮮半島から中国大陸に分布するカラムラサキツツジ ''R. mucronulatum'' var. ''mucronulatum'' と同種内の変種として区別されることが多い.DNAを使った最近の研究で,北海道からロシア,中国東北部,朝鮮半島に分布するエゾムラサキツツジ ''R. dauricum'' L. も含めて,大陸の近縁種と系統的に近いことが示唆されており,今後分類学的な扱いが変わる可能性がある.
 
 
日浦山は過去に山火事があった場所であり,その回復の
 
 
 
<div style="text-align:right">(H. Tsubota 記)</div>
 
  
 
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2022年6月9日 (木) 17:45時点における最新版

ヒコビアミニレター No. 537(2022年05月22日)

 2022年3月27日の第660回植物観察会は広島県安芸郡海田町(かいたちょう)日浦山(ひのうらやま)で開催された.天気は晴れ.参加者28名.新型コロナウイルス感染症の感染者数がやや下げ止まりであるが実施した.10時にJR海田市駅北口に集合.コースの説明の後,出発.海田市駅から東に進み,海田町役場前にある熊野神社に向かう.途中,山陽本線の線路沿いでナズナが開花.熊野神社ではムクノキの大きさを測定し,胸高直径99.5 cm,樹高7.5 mあった.境内にメリケントキンソウスズメノカタビラオランダミミナグサキキョウソウウラジロチチコグサなどの外来植物が多くあった.また,前回確認されていたツルドクダミも生育していた.その後,薬師禅寺から上がるルートを通って,山頂に向かった.アラカシアベマキカゴノキナツハゼエゴノキクロキヤマモモアカマツシロダモナナミノキシリブカガシザイフリボクネズミモチヤマフジシャシャンボコシダなどをみた.ヤマザクラコバノミツバツツジがちょうど開花していた.今回の目的の一つであったゲンカイツツジは,標高230 mあたりからではじめ,花を観察することができた.尾根筋のルートで明るい環境であったが,以前よりも樹木が生長しており,遷移が進んだ関係でゲンカイツツジの株の数がやや減少した印象であった.その後,尾根を進み,ヤブツバキリンボクザイフリボクホオノキなどをみた.頂上付近にもゲンカイツツジが生育していた.12時45分ころ頂上に到着.快晴で展望が良かった.食事の後,集合写真を撮影.帰りは大師寺へ向かうコースを下りた.途中,ウラジロシキミリンボクコナラタブノキヒサカキヤブニッケイカナメモチザイフリボクヤマザクラコウヤボウキなどをみた.下山後,旧国道から海田市駅に向かい,14時40分頃流れ解散.日浦山は40年くらい前まで山火事が多くあった場所であるが,常緑樹林化が進んでいた.

(H. Tsubota, Akemi Tsubota & Yoshiki Koyama 記)

追補

  • ゲンカイツツジ Rhododendron mucronulatum Turcz. var. ciliatum Nakai は中国・四国・九州に分布し,朝鮮半島から中国大陸に分布するカラムラサキツツジ R. mucronulatum var. mucronulatum と同種内の変種として区別されることが多い.DNAを使った最近の研究で,北海道からロシア,中国東北部,朝鮮半島に分布するエゾムラサキツツジ R. dauricum L. も含めて,大陸の近縁種と系統的に近いことが示唆されており,今後分類学的な扱いが変わる可能性がある.

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