「植生と動物 宮島の植物と自然」の版間の差分

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 宮島のシカは,分類学的には脊椎動物門(せきついどうぶつもん)Chordata 哺乳綱(ほにゅうこう)Mammalia ウシ目(偶蹄目(ぐうていもく))Artiodactyla ウシ亜目(反芻亜目(はんすうあもく))Ruminantia ウシ下目(真反芻亜目(しんはんすうあもく))Pecora シカ科Cervidaeに分類される[[ニホンジカ|ニホンジカ''Cervus nippon'']]です.ニホンジカは日本に広く分布する大型哺乳類の一種で,日本人にとってなじみ深(ぶか)い動物のひとつです.
 
 宮島のシカは,分類学的には脊椎動物門(せきついどうぶつもん)Chordata 哺乳綱(ほにゅうこう)Mammalia ウシ目(偶蹄目(ぐうていもく))Artiodactyla ウシ亜目(反芻亜目(はんすうあもく))Ruminantia ウシ下目(真反芻亜目(しんはんすうあもく))Pecora シカ科Cervidaeに分類される[[ニホンジカ|ニホンジカ''Cervus nippon'']]です.ニホンジカは日本に広く分布する大型哺乳類の一種で,日本人にとってなじみ深(ぶか)い動物のひとつです.
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 宮島の自然の大きな特徴(とくちょう)のひとつは,シカが比較的(ひかくてき)自然な状態で生息(せいそく)していることです.シカなどの大型哺乳類は,植生に大きな影響を与えます.例えば,植物を食べたり,植物の生育地の環境(かんきょう)を変えることなどがあげられます.宮島では,シカに対して抵抗性(ていこうせい)をもった植物が多く見られます.例えば,カンコノキやホウロクイチゴなどのようにトゲをもつ植物や,食べると毒になるシキミやアセビといった有毒(ゆうどく)植物,シバなどの採食圧(さいしょくあつ)に対して抵抗性をもった植物などです.シカに対して無防備(むぼうび)な植物は,高い塀(へい)に囲(かこ)まれた庭や柵(さく)の中など,非常に限(かぎ)られた場所にだけ見られます.
  
 
== 「宮島の植物と自然」内のページ ==
 
== 「宮島の植物と自然」内のページ ==

2015年4月21日 (火) 15:29時点における版

植生と動物

宮島に生息する動物

 宮島は豊(ゆた)かな自然が残っているため,多くの動物が生息(せいそく)しています.ニホンジカCervus nipponニホンザルMacaca fuscataなどの大型哺乳類(ほにゅうるい)や鳥類(ちょうるい),爬虫類(はちゅうるい),両生類(りょうせいるい),昆虫(こんちゅう)などの節足動物(せっそくどうぶつ)などです.

宮島とシカ

 奈良(なら)や金華山(きんかざん)(宮城県(みやぎけん))のシカと並んで,宮島のシカは有名です.とくに宮島のシカは小型であるため,外国の博物館(はくぶつかん)で小型(こがた)のシカの仲間の代表例として,宮島のシカが展示(てんじ)されている所があります.ニホンジカが標準和名(ひょうじゅんわめい)ですが,通称,シカと呼び,本書でもシカと表記(ひょうき)しています.

 宮島のシカは,分類学的には脊椎動物門(せきついどうぶつもん)Chordata 哺乳綱(ほにゅうこう)Mammalia ウシ目(偶蹄目(ぐうていもく))Artiodactyla ウシ亜目(反芻亜目(はんすうあもく))Ruminantia ウシ下目(真反芻亜目(しんはんすうあもく))Pecora シカ科Cervidaeに分類されるニホンジカCervus nipponです.ニホンジカは日本に広く分布する大型哺乳類の一種で,日本人にとってなじみ深(ぶか)い動物のひとつです.

 宮島の自然の大きな特徴(とくちょう)のひとつは,シカが比較的(ひかくてき)自然な状態で生息(せいそく)していることです.シカなどの大型哺乳類は,植生に大きな影響を与えます.例えば,植物を食べたり,植物の生育地の環境(かんきょう)を変えることなどがあげられます.宮島では,シカに対して抵抗性(ていこうせい)をもった植物が多く見られます.例えば,カンコノキやホウロクイチゴなどのようにトゲをもつ植物や,食べると毒になるシキミやアセビといった有毒(ゆうどく)植物,シバなどの採食圧(さいしょくあつ)に対して抵抗性をもった植物などです.シカに対して無防備(むぼうび)な植物は,高い塀(へい)に囲(かこ)まれた庭や柵(さく)の中など,非常に限(かぎ)られた場所にだけ見られます.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 20-23 pp.

文献(引用)