ホウロクイチゴ 宮島の植物と自然

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ホウロクイチゴ Rubus sieboldii Blume

分類

バラ科 Rosaceae,キイチゴ属 Rubus

解説

 高さ0.5-1 mになる常緑低木. 日本産のキイチゴ属 Rubus の中では大型で,植物体全体が鋭い刺で覆われる.葉は互生で,大型で厚くてかたく,葉の上面の葉脈上に刺がある.花期は4月下旬-6月上旬.花は白色で,雄しべが多数.花弁は5枚でしわがある.果実は球形で,梅雨時期に紅色に熟し,やや甘みがあり,可食.日本の暖かい地域に分布する.南方系の植物で,宮島はその北限に近い.宮島では個体数が多く,道沿いや森林の縁など開けた明るい場所に普通に見られるが,本土側や他の島ではきわめて稀で個体数も少ない.和名は大きな葉を炮烙(ほうろく)(素焼きの平たい土鍋)に例えたとも,果実の形に由来するともいわれる.葉を神事に利用する.


ホウロクイチゴ(バラ科) Rubus sieboldii Blume [Rosaceae] Japanese name: Houroku-ichigo

0.5-1 mの高さになる常緑低木.花期は5月中旬から下旬.花は白色で,果実は梅雨時期に紅色に熟し可食.南方系の植物で,宮島はその北限に近い.宮島では個体数が多く,神事でも利用される.

Evergreen shrub, up to 0.5-1 m in height. Native t warm areas of Japan. White hermaphrodite flowers open in middle to end of May, and are followed later by red berries in middle June to beginning of July. Fruits are edible raw but are not so sweet. A common shrub in Miyajima Is., occurring in open habitats, such as road sides or on the sunny edges of forest. Used for rituals in the Itsukushima Shrine.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 102-103 pp.

文献(引用)


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