広島県の主要遺跡/樽床遺跡群

提供: 広島大学デジタル博物館
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樽床遺跡(山県郡芸北町)

樽床遺跡群は、人口湖である聖湖に面した丘陵を中心に立地しています。発掘調査は実施されていませんが、旧石器~縄文時代を中心とする遺物が26地点から採集されています。旧石器時代の遺物は、G地点、M1地点、C0地点などで発見されています。中でも、G地点では注目される遺物が出土しています。縦長剥片素材の基部加工ナイフ形石器、掻器、掻器(そうき)や整った形態の縦長剥片が多数採集されており、石材は黒曜石、安山岩(あんざんがん)などですが、黒曜石の割合が高く、理化学分析では島根県隠岐産という分析結果が出ています。出土石器はいずれも採集品などで共伴関係は不明ですが、後期旧石器時代後半期に位置づけられるものと思われます。隠岐からの距離は直線で約200kmあることや石器群の特徴が山陰・北陸地域と関連を持つことなどから、今後の調査・研究の進展が期待されます。