ムベ

提供: 広島大学デジタル博物館
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ムベ Stauntonia hexaphylla (Thunb.) Decaisne

[= Rajania hexaphylla]

アケビ科 Lardizabalaceae


解説

暖地の山地に生育する常緑のつる性植物.日本から,朝鮮半島南部,台湾に分布する.日本では本州(関東地方以西),四国,九州,琉球に分布する.葉は掌状複葉で,革質で光沢があり,展開時は黄緑色,展開し終わると濃緑色になる.葉は長楕円形から卵形の3-7枚の小葉からなり,小葉は長さ5-10 cm.花は4月中旬から5月下旬に開花し,香りがある.雌雄異花で,総状に3-9個つき,基部の1-2個が雌花,残りが雄花.雌花の方が一回り大きい.花弁は持たないが,淡黄色で先が尖り,背曲する6枚の萼(がく)片が大きくなり,一見花弁のように見える.果実は液果で,長楕円体,3-10 cmの長さになり,秋に成熟すると外皮は紫色になる.中身は白く,黒い種子を多く含む.アケビやミツバアケビと異なり熟しても裂開しない.一般には食用としない(果肉は甘く食用とする場合もあるとのこと).棚仕立てなどにして,緑陰樹として利用されることがある.

アケビやミツバアケビに似るが,常緑性であること,萼片が6枚(アケビは3枚)で果実が裂開しない点で区別できる.

広島県では非常に個体数・生育地ともに多いが,京都府など常緑樹林の伐採が生存に脅威であるとして,県のRDBで準絶滅危惧種に指定されて所がある.


慣用名

  • トキワアケビ

備考

  • 環境庁コード: 19230


文献(出典)

  • 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.