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*6月28日に,東広島キャンパスにおいて[[アライグマ]]が発見されました.5頭の幼獣が固まって見つかったことから構内で繁殖をしている可能性が高いです.[[アライグマ]]は特定外来生物に指定されており,農業や生態系に大きな影響を与えています.特に学内では,[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]や[[ニホンイシガメ]]など在来の両生類や爬虫類に対する捕食圧が懸念されます.[[ホンドタヌキ]]や[[ニホンアナグマ]]に似ますが,目の周りの黒い模様が左右繋がって見えること,尾が縞々模様であることなどが特徴です. | *6月28日に,東広島キャンパスにおいて[[アライグマ]]が発見されました.5頭の幼獣が固まって見つかったことから構内で繁殖をしている可能性が高いです.[[アライグマ]]は特定外来生物に指定されており,農業や生態系に大きな影響を与えています.特に学内では,[[ニホンアカガエル_広島大学東広島キャンパス|ニホンアカガエル]]や[[ニホンイシガメ]]など在来の両生類や爬虫類に対する捕食圧が懸念されます.[[ホンドタヌキ]]や[[ニホンアナグマ]]に似ますが,目の周りの黒い模様が左右繋がって見えること,尾が縞々模様であることなどが特徴です. | ||
2021年7月19日 (月) 12:04時点における版
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キャンパスで現在見られる動物の情報です.名前や写真をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).
2021
トピックス
- 6月28日に,東広島キャンパスにおいてアライグマが発見されました.5頭の幼獣が固まって見つかったことから構内で繁殖をしている可能性が高いです.アライグマは特定外来生物に指定されており,農業や生態系に大きな影響を与えています.特に学内では,ニホンアカガエルやニホンイシガメなど在来の両生類や爬虫類に対する捕食圧が懸念されます.ホンドタヌキやニホンアナグマに似ますが,目の周りの黒い模様が左右繋がって見えること,尾が縞々模様であることなどが特徴です.
7月
- 2021.07.19 東広島キャンパスでアブラゼミが鳴き始めました.
- 2021.06.22-07.07 6月下旬から7月にかけても,雨が降る日が続きました.小雨が降る生態実験園ではオタマジャクシから変態したばかりのニホンアカガエルやシュレーゲルアオガエルの幼体が数多く見られます.林縁の葉上では陸生プラナリアであるゲオプラナ亜科の一種も観察することができました.コウガイビル同様多くの眼点(視覚器官)をもち,小動物を捕らえて捕食します.
ゲオプラナ亜科の一種.雨天の生態実験園に多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 29, 2021)
- アラカシの樹液ではノコギリクワガタが見られました.大型のクワガタムシで雌雄ともに赤みを帯びます.オスは大きさによって大アゴの形が異なり,大型個体では湾曲し小型個体では真っ直ぐになります.樹液にはスズメバチの仲間も飛来するので観察の際には要注意です.他のスズメバチは深夜には樹液に集まらないことが多いですが,オオスズメバチの女王やモンスズメバチは夜明けまで滞在していることがあり,懐中電灯目掛けて飛んでくることもあります.その際には慌てずライトを消して対処しましょう.
- 樹液に集まるヤガ科には,Catocala(カトカラ)というグループが存在します.後翅に鮮やかな斑紋をもつ蛾が多く,初夏~晩夏にかけて観察することができます.ここでは,カトカラの中で○○キシタバという名を冠する種を掲載します.(おおよその出現時期順に並べています.)
- 梅雨時期の里山のチョウたちです.開けた草地のノアザミにはウラギンヒョウモンが,林縁部のノアザミにはホソバセセリが蜜を吸いに現れます.ヒメジョオンには夏型のトラフシジミが飛来していました.春に発生する個体に比べて全体的に茶褐色なのが特徴です.
ノアザミで吸蜜するウラギンヒョウモンの成虫(メス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 7, 2021)
ノアザミで吸蜜するホソバセセリの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 2, 2021)
ヒメジョオンで吸蜜するトラフシジミの成虫(夏型).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 29, 2021)
- 林縁部のアオハダの葉裏などでしばしば見られるエサキモンキツノカメムシですが,酷似する近縁種にモンキツノカメムシがいます.出現時期や環境が被るので識別が難しいですが,エサキモンキでは背面の斑紋がハート形になるのに対し、モンキでは半円形になります.また,ウシカメムシは体長8 mmほどで小型でありながら,二本の鋭い角が目を引きます.
- ガマやヨシなど,抽水植物の多いため池ではアオヤンマが生息します.全身が鮮やかな緑色をしており,抽水植物の間を縫うように飛びます.また,同様に水草の豊富なため池にはチョウトンボも見られます.蝶のようにひらひらと舞うように飛び,東広島キャンパスでは数も多く目にする機会が多いトンボです.湿地では日本最小のトンボであるハッチョウトンボが見られます.
- 東広島キャンパスで見られる大型のコガネムシには,コフキコガネとオオコフキコガネがいます.両種ともに体表が細毛で覆われているのが特徴ですが,名が指すほど体長に差がなく,やや識別に難儀します.しかし,コフキでは毛の色が黄褐色なのに対し,オオコフキでは毛の色が灰白色といった特徴があります(これらの毛は脱落している場合もあるので注意).ヒメコガネは変異の大きいコガネムシで,赤・緑・青と様々な色の個体を見つけることができます.ドウガネブイブイとアオドウガネもよく見られるコガネムシです.
- アミメカゲロウ目の昆虫です.キカマキリモドキとオオツノトンボはそれぞれカマキリ,トンボに似ていますが,それらとは別のグループに属しています.ヤマトヒロバカゲロウは初夏に発生するカスリヒロバカゲロウと入れ替わるように出現し,7月中はよく見られます.
6月
- 2021.06.13-18 東広島キャンパスではゲンジボタルが舞っています.主に小川や渓流を生息地とし,日本産ホタルの中でも大型種で光もよく目立ちます.かつてはキャンパス内の湿地でヘイケボタルも多く見られましたが,アメリカザリガニの侵入などとともに激減し,現在では数年に一度目撃されるのみになってしまいました.これらの2種に加え,キャンパス内ではオオマドボタルとオバボタル,ムネクリイロボタルの計5種が確認されています.後3種は昼行性で,強く発光することはありません.ここではオオマドボタルを除いた4種の写真を掲載します.
- アラカシやアベマキなどのブナ科から染み出す樹液に多くのクワガタムシが集まるようになりました.スジクワガタとコクワガタは同所的に見られ酷似していますが,スジクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が二股に分かれて2本に見え,一方コクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が1本だけであることで識別できます.しかし,メスやオスの小型個体では当てはまらないため要注意です.ネブトクワガタは他の甲虫が集まらない樹種(モミやケンポナシなど)に集まっていることが多いです.
- 個性的な甲虫たちです.アカガネサルハムシはヤマトタマムシのような赤と緑の金属光沢が美しいハムシで,主にノブドウの周囲で観察されます.ゴマダラオトシブミは揺り籠(葉で巻いた産室)を切り落とさないタイプのオトシブミで,ブナ科植物(主にクリ)の葉上で見られます.キノコゴミムシはアベマキの樹液や硬質菌(カワラタケなど)で覆われた枯れ木などに見られるゴミムシで,ヨツボシケシキスイやオオキノコムシ類に似た斑紋を有します.
アカガネサルハムシの成虫.ノブドウに多い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 15, 2021)
ゴマダラオトシブミの成虫.主にクリの葉を食べる.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 15, 2021)
キノコゴミムシの成虫.オオキノコムシ類に似る.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 18, 2021)
- 梅雨期はイラガ科の蛾をよく見かけます.多くの種で幼虫がデンキムシと呼ばれる有毒の派手なケムシですが,成虫は無毒です.ヒロヘリアオイラガ,クロシタアオイラガ,アオイラガなどのアオイラガ類は緑と褐色を基調としており,やや同定が難しいグループです.
ヒロヘリアオイラガの成虫.アオイラガに似るが,前翅外縁の褐色部は一様に色が濃い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 15, 2021)
- 葉が茂り見つけづらくはなりましたが,早朝や夕方には夏鳥の活発な姿が見られます.ホトトギスはオスは「テッペンカケタカ!」と聞きなしされる声でよく鳴いていますが,姿を観察するのはやや難しいです.コサメビタキは秋の渡り期まではキャンパス内で見ることができます.オオルリは朝にネズの一番上にとまって囀る様子を観察することができました.
- 初夏の間にしか鳴き声を聞くことができないバッタ類の紹介をします.ナキイナゴはススキなどが茂る丘陵の草地に多く,オスは日中脚と翅をこすり合わせて「ジキジキジキ...」と鳴きます.キンヒバリは生態実験園やふれあいビオトープの湿地に多く,主に夜間「リッリッリッリーー」と高い声で鳴きます.コガタコオロギは空き地や荒地の物陰で「ビー!!」と鳴き,意識すると夜の広大通りやブールバールでよく鳴いているのがわかります.
- ハエの仲間です.シオヤアブは飛翔する昆虫を奇襲するムシヒキアブの一種で,エサキモンキツノカメムシを捕食していました.ハチモドキハナアブはドロバチやトックリバチにベイツ型擬態しているハナアブで,アベマキの樹液に集まります.イシハラクロチョウバエは林縁部で見られるチョウバエで,葉の上でクルクルとせわしなく動き回ります.
シオヤアブの成虫(オス).エサキモンキツノカメムシを捕食している.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 17, 2021)
- 6月の上旬~中旬にかけては,アカシジミやウラナミアカシジミなど樹上性のシジミチョウであるゼフィルスを観察することができました.夕方になると活性が高まり,コナラやアベマキの周囲を飛翔する姿が見られます.ゴイシシジミは成虫がササ類につくアブラムシ(ササコナフキツノアブラムシ)の分泌液を吸うため,ササの茂る環境で観察されます.
- 2021.06.5-06.12 キャンパス内で見られるコマチグモ科3種の紹介です.カバキコマチグモは在来種のクモの中でも強い毒をもつとされ,不用意に掴むと咬まれる恐れがあるので,観察の際には要注意です.本種はススキが繁茂する草地で見られることが多いですが,後2種は樹上性です.アシナガコマチグモは雌雄ともに足が長く,夜になると樹上を活発に動きます.ヤサコマチグモは前2種に比べると小型のコマチグモで,メスでは脚が短いです.本種も夜に樹上を徘徊しています.
ヤサコマチグモの成体(メス).アシナガコマチグモに比べて小型で脚が短い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 9, 2021)
- 田植えが終わった生態実験園の水田では、ケラが泳ぐ姿を観察することができました.基本地中に生息している本種ですが,水面を滑るように泳ぐこともできます.ケラの多い湿地にはミイデラゴミムシも多く見られます.つままれたりすると,腹部の先端から高温のガスを噴射しますがその音が「プーッ!!」とおならのような音であることから「へっぴり虫」と呼ばれてきました.
- 梅雨時期に見られる蛾を紹介します.シンジュサンはヤママユ科の大型種で,夜に外灯の周りをゆったりと飛翔する姿が見られます.翅には4つの三日月状斑があるのが特徴です.アケビコノハは年に数回成虫が出現します.この時期はビロードイチゴなどのキイチゴ類の汁を吸うようです.ゴマケンモンは地衣類のような模様が特徴で,ケンモンミドリキリガに似ていますが,本種は梅雨時期にのみ現れ,ケンモンミドリキリガは晩秋にのみ現れます.
ビロードイチゴの汁を吸うアケビコノハの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 6, 2021)
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