どんぐりのなる樹 宮島の植物と自然
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どんぐりのなる樹-ブナ科 Fagaceae-
「どんぐり」を作る植物の仲間をブナ科 Fagaceaeと言います.どんぐりは,ブナ科植物の果実で,どんぐり果[殻斗果(かくとか)や堅果(けんか)とも]と呼ばれます.いわゆるどんぐりの帽子になる殻斗(かくと)やクリで見られる毬(いが)と呼ばれる器官で,果実が包まれるのがブナ科の特徴のひとつです.
ブナ科は,ブナ林などの日本の温帯林(おんたいりん)を代表的する植物です.日本を含む北半球の温帯林を優占種(ゆうせんしゅ)として構成しています.ブナ科の植物は人類の生活と深い関わりをもち,化石燃料が普及する前は薪木(たきぎ)や炭などの燃料として利用されていました.現在でも,ウバメガシから作った炭は備長炭(びんちょうたん)として利用されています.また,材が堅くて腐りにくいものが多いため,建物の柱や家具の材や道具を作る際に利用されていました.
宮島で一般的に見られるブナ科の植物には,ウラジロガシ,アラカシ,ウバメガシ,アカガシ,ツクバネガシ,コジイ,シリブカガシなどがあります.アカガシやツクバネガシは,実験所園内にはなく,宮島の比較的海抜(かいばつ)が高い場所でしか見ることができません.また,宮島では,対岸で見られるコナラやアベマキなどの落葉性(らくようせい)のブナ科植物が存在しません.宮島には常緑樹(じょうりょくじゅ)が多いため,落葉樹は春の展葉(てんよう)の際に競争で負けてしまうことが理由の一つとして考えられますが,なぜ存在しないのかという理由はよく分かっていません.
種名 | 冊子中のページ数 |
---|---|
アラカシ | 87 p. |
シリブカガシ | 88-89 pp. |
宮島から報告のあるブナ科植物
「宮島の植物と自然」内のページ
「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.
- 86-89 pp.
引用文献
参考文献
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