アイグロマツ

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アイグロマツ(アカクロマツ) Pinus x densi-thunbergii Uyeki

分類

裸子植物門 Gymnospermae > マツ亜門 Pinophytina > マツ綱 Pinopsida > マツ亜綱 Pinidae > マツ目 Pinales > マツ科 Pinaceae > マツ属 Pinus

解説

  • 常緑針葉高木.
  • アカマツクロマツが近接して生育する場所で見られる自然雑種.
  • アカマツクロマツの中間的な形態になり,種々の中間段階のものが見られる.
  • 典型的なものでは,幹の基部がクロマツのようにやや曲がり,幹の上部がアカマツの様に赤くなる.
  • クロマツに近いものをアイグロマツ,アカマツに近いものをアイアカマツ,ちょうど中間的なものをアイノコマツなどとよぶ場合もある.
  • 雑種になると,松枯れ病に強くなる傾向が見られ,瀬戸内海の沿岸部ではよく見られる.
  • Kondo et al.(1989)によれば,広島県および山口県の沿岸部では松林の51.4%がアカマツ,28.9%がクロマツ,19.7%が雑種で構成され,マツノザイセンチュウによる枯死率はクロマツが35%,アカマツが20%,雑種が18%である.したがって,広島県の沿岸部ではアイグロマツが増える傾向にある.

花期

  • 4-5月.

分布・産地・天然記念物

標本

  • 府中町水分峡(mt-6309),黒瀬町大多田(mt-8724),川尻町野呂山(hh-6079),倉橋町室尾(hh-7054),安浦町塩谷(mt-11917),廿日市市可愛川(mt-13333).

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • アイノコマツ
  • アカクロマツ
  • アイアカマツ

備考

  • 環境庁コード: 08990
  • 雑種
  • 種小名のdensi-thunbergiiは,アカマツとクロマツの種小名に由来.
  • 命名者は植木秀幹(うえきほみき,1882-1976). Uyeki(1926)にアイグロマツ(Pinus densi-Thunbergii Uyeki)として記載されている.

文献(出典)

  1. 土井 1983
  2. 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.
  3. Kondo et al. 1989.
  4. Toyohara 1979
  5. 植木秀幹. 1926. 林業試験場報告. Pp. 154. 朝鮮総督府林業試験場,京城.(近代デジタルライブラリー〔朝鮮総督府〕林業試験場報告

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