「ウミネコ 宮島」の版間の差分
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2015年6月28日 (日) 19:31時点における版
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ウミネコ Larus crassirostris
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 鳥綱 Aves > チドリ目 Charadriiformes > カモメ科 Laridae > カモメ属 Larus > ウミネコ Larus crassirostris
解説
- 国内で見られるカモメの仲間は15種ほどで,その多くが冬鳥として渡来する.全長45cmでカモメぐらいの大きさである.
- ウミネコとカモメの成鳥の区別は,ウミネコが背や翼の色が濃く,尾には黒い帯がある点と「ミャー,クゥーオ」と猫に似た声で鳴く点,海岸や河口にいて外洋に出ることがない点である.
- 国内で繁殖するのは,本種とオオセグロカモメの2種と少なく,繁殖地も日本近海の離島と限られている.その場所の多くが天然記念物に指定され,十分に自然が保たれている.
- 広島県には繁殖地はなく,近い場所では島根県の経島が知られている.
- 巣は雑草や羽毛などで造り,雌雄で2,3個の卵を抱卵する.
- その間,若鳥は繁殖地に集まらず全国各地で過ごす.若鳥は全体が褐色で,足は淡紅色.1年,2年と成長するにつれ,首や腹部が白くなり足も黄色になる.
- 雑食性でイワシやイカの魚類をはじめ,船などから捨てられる残飯なども食べている.
- カラスが陸の掃除屋なら,カモメの仲間は海の掃除屋といえるかもしれない.
- 宮島では,5月中旬から7月中旬をのぞいて,普通に生息している.
- 特に秋冬に多数集まって,イワシやナマコ漁船の後を追ったり,カキのいかだの上でユリカモメなどと並んで休んでいたりする.
- 宮島港や大鳥居の近くまでやってくるが,宮島航路の船に乗っていると,海上に浮かんでいたり飛んでいたりする姿がよく観察できる.
- 8月に入ると繁殖を済ませたものが見られ始める.ユリカモメ同様多く越冬する.翌春繁殖に入らない若いと思われる個体がかなりの数,内海に残るらしく,夏期に群れている.
(資料提供:山田一太/写真撮影:熊谷美登)
備考
文献(引用)
- 日本鳥学会(編). 2012. 日本鳥類目録改訂第7版. xx + 438 pp. 日本鳥学会, 三田.