カンザブロウノキ
提供: 広島大学デジタル博物館
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カンザブロウノキ Symplocos theophrastifolia Sieb. & Zucc.
解説
花は白色で,8月下旬に開花するが花の期間は短くあまり目立たない.果実は小形で黒色,正月過ぎに成熟し,小鳥がよく実をついばんでいる.
カンザブロウノキは南方系の常緑広葉樹で,宮島は分布の北限に近い.九州・四国・紀伊半島の太平洋岸にそって分布し,静岡付近にまで達しているが,瀬戸内海周辺ではまれである.広島県では宮島に生育するが,宮島以外では県内にごくわずかしか知られていない.
宮島では海抜300 m以下の谷間に割合に多く見られ,樹の高さはふつう数m,幹の直径は20 cm程度.宮島の須屋浦には高さ約20 m,直径が50 cmほどの大木がある.
カンザブロウノキは面白い名前であるがその意味はよく分からない.牧野富太郎博士は「和名ハ多分勘三郎の木ナランモ其意詳カナラズ,俚言ニ烏(カラス)かあかんあかんざぶらうト云フ故ニ本樹烏ト何カ関係アルナラン乎」と述べている.
カンザブロウノキ(宮島,2002年8月27日) | 開花した状態(宮島,2002年8月27日) | 花の拡大(宮島,2002年8月27日) |
慣用名
備考
- 環境庁コード: 43790
文献(出典)
- 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.