「ソメイヨシノ 廣島大學櫻曼荼羅」の版間の差分
(2人の利用者による、間の19版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
− | [ | + | [https://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/ 広島大学デジタルミュージアム] > [[キャンパスまるごと博物館]] > [[広島大学の自然]] > [[東広島キャンパスのサクラ]] > [[廣島大學櫻曼荼羅]] > [[ソメイヨシノ_廣島大學櫻曼荼羅|ソメイヨシノ]] |
− | [[ファイル: | + | [[ファイル:ソメイヨシノ広島大学東広島キャンパス青山s512.jpg|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(広島県東広島市 広島大学東広島キャンパス; 撮影: 青山幹男)]] |
− | |||
− | |||
− | |||
[[ファイル:C8zCg9gUwAAo_5w.jpg|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花(広島県東広島市 東広島キャンパス理学研究科; 撮影: 坪田博美, April 7, 2017)]] | [[ファイル:C8zCg9gUwAAo_5w.jpg|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花(広島県東広島市 東広島キャンパス理学研究科; 撮影: 坪田博美, April 7, 2017)]] | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
[[ファイル:20180330ソメイヨシノがく筒_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_26450s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)のがく筒(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2018)]] | [[ファイル:20180330ソメイヨシノがく筒_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_26450s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)のがく筒(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2018)]] | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | =ソメイヨシノ ''Cerasus'' × ''yedoensis'' (Matsum.) | + | =ソメイヨシノ ''Cerasus'' ×''yedoensis'' (Matsum.) Masam. & S.Suzuki 'Somei-yoshino'= |
− | ソメイヨシノ(Somei-yoshino | + | |
+ | ソメイヨシノ(Somei-yoshino 染井吉野):''C.'' ×''yedoensis'' (Matsum.) Masam. & S.Suzuki 'Somei-yoshino' | ||
エドヒガン群栽培品種.3月下旬~4月上旬開花.一重.花弁は淡紅白色.花弁は散りやすい.開花が先行し次いで葉が展開する.花付きが良く成長が早い.日本全国に広く植栽されている品種で,花見のサクラの代表. | エドヒガン群栽培品種.3月下旬~4月上旬開花.一重.花弁は淡紅白色.花弁は散りやすい.開花が先行し次いで葉が展開する.花付きが良く成長が早い.日本全国に広く植栽されている品種で,花見のサクラの代表. | ||
==シノニム synonym== | ==シノニム synonym== | ||
− | *''Prunus'' × ''yedoensis'' Matsum. | + | *''Prunus'' ×''yedoensis'' Matsum. |
+ | *''Cerasus'' ×''yedoensis'' (Matsum.) A.V.Vassil. | ||
==解説== | ==解説== | ||
34行目: | 24行目: | ||
==由来== | ==由来== | ||
+ | |||
+ | ==コラム== | ||
+ | ===ソメイヨシノと桜前線=== | ||
+ | ソメイヨシノは,野生の植物ではなく,江戸時代末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋から全国に広まった栽培品種である.稔性がほとんどなく,実生も性質が変わるため,接ぎ木によって苗が生産される.このため,各地で見られるソメイヨシノはすべて遺伝的に同じもの(クローン)である.最近のDNA を使った研究で,エドヒガンとオオシマザクラ,ヤマザクラなど複数のサクラの遺伝的な特徴をもっていることが分かっている. | ||
+ | |||
+ | |||
+ | 日本列島の南から北上する桜前線は,北海道や沖縄を除き,おもにソメイヨシノの開花状況を対象としたものである.これはソメイヨシノがクローンであることと関係している.ソメイヨシノは温度に敏感で,ある温度になると一斉に花を開花させる.クローンであるため,別の個体であっても遺伝的に同じような性質を示し,同じ環境にあればほぼ同時に開花が始まることから観測に適している. ソメイヨシノが全国的に植栽されている背景のひとつに明治以降昭和までの日本の軍国主義拡張がある.また,明治以降の東京中心の中央集権的な国家体制の確立とともに全国に広く植栽された.ソメイヨシノは花付きが良く,成長も早いという都合が良い性質をもつ一方で,病害虫に弱く,100 年を超すような老樹の維持はコストがかかる.東広島キャンパス内では工学部南西の法面,陸上競技場周辺で旺盛に育ち,花見の好適地となりつつあるが,やがて古木の維持・管理が必要になる.平和を標榜する広島大学としては,今後のサクラの植栽・補植にあたって,寿命が長い栽培品種を中心に植栽するのが好ましいと考える. | ||
==備考== | ==備考== | ||
49行目: | 46行目: | ||
;場所:全域 | ;場所:全域 | ||
;本数:770 | ;本数:770 | ||
+ | |||
+ | ==ギャラリー Gallery 画廊== | ||
+ | <gallery mode="nolines" widths="240" heights="240"> | ||
+ | ファイル:20190409ソメイヨシノ花01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_41965s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の花(広島県東広島市 東広島キャンパス教育学部南; 撮影: 池田誠慈, Apr. 9, 2019) | ||
+ | ファイル:20200406ソメイヨシノ花_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_57305s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の花(広島県東広島市鏡山 東広島植物園; 撮影: 池田誠慈, Apr. 6, 2020) | ||
+ | ファイル:20180330ソメイヨシノ花01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_26447.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2018) | ||
+ | ファイル:20180402ソメイヨシノ花01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_40975s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(広島県東広島市鏡山 東広島キャンパス教育学部南; 撮影: 池田誠慈, Apr. 2, 2019) | ||
+ | ファイル:20180330ソメイヨシノ花02_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_26448.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2018) | ||
+ | ファイル:20190406ソメイヨシノ花01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_41541s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Apr. 6, 2019) | ||
+ | ファイル:20200406ソメイヨシノ西さくら道_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_57438s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)(広島県東広島市鏡山 東広島キャンパス西さくら道; 撮影: 池田誠慈, Apr. 6, 2020) | ||
+ | ファイル:20190329ソメイヨシノ花01_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_40378s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 29, 2019) | ||
+ | ファイル:20190329ソメイヨシノ花02_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_40591s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の開花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 29, 2019) | ||
+ | ファイル:20190329ソメイヨシノ花03_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_40588s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の花(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 29, 2019) | ||
+ | ファイル:20180330ソメイヨシノがく片_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_26449s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)のがく片(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 30, 2018) | ||
+ | ファイル:20180413ソメイヨシノ花断面_東広島市鏡山_池田撮影_P4130185s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)の花の断面(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Apr. 13, 2018) | ||
+ | ファイル:20190323ソメイヨシノつぼみ_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_39574s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノ(染井吉野)のつぼみ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 23, 2019) | ||
+ | ファイル:20180316ソメイヨシノ花芽_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_25257.JPG|200px|thumb|right|染井吉野(ソメイヨシノ)の花芽(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 16, 2018) | ||
+ | ファイル:20200313ソメイヨシノ花芽_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_55842s.JPG|200px|thumb|right|ソメイヨシノの花芽(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Mar. 13, 2020) | ||
+ | ファイル:20191011ソメイヨシノ紅葉_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50396s.JPG|200px|thumb|right|紅葉が進んだソメイヨシノ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019) | ||
+ | ファイル:20191011ソメイヨシノ花_東広島市鏡山_池田撮影_IMG_50205s.JPG|200px|thumb|right|狂い咲きしたソメイヨシノ(広島県東広島市鏡山; 撮影: 池田誠慈, Oct. 11, 2019) | ||
+ | </gallery> | ||
+ | |||
+ | ==[[テンプレート:植物_関連ページ_ソメイヨシノ|関連ページ]]== | ||
+ | {{テンプレート:植物_関連ページ_ソメイヨシノ}} | ||
---- | ---- | ||
− | [ | + | [https://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html 広島大学] > [https://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/ 広島大学デジタルミュージアム] > [[キャンパスまるごと博物館]] > [[広島大学の自然]] > [[東広島キャンパスのサクラ]] > [[廣島大學櫻曼荼羅]] > [[ソメイヨシノ_廣島大學櫻曼荼羅|ソメイヨシノ]] |
[[Category:植物]] | [[Category:植物]] | ||
57行目: | 78行目: | ||
[[Category:廣島大學櫻曼荼羅]] | [[Category:廣島大學櫻曼荼羅]] | ||
[[Category:広島大学]] | [[Category:広島大学]] | ||
− | [[Category: | + | [[Category:広島大学総合博物館]] |
+ | [[Category:東広島植物園]] | ||
[[Category:ソ]] | [[Category:ソ]] | ||
[[Category:C]] | [[Category:C]] |
2023年3月26日 (日) 10:02時点における最新版
広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > キャンパスまるごと博物館 > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスのサクラ > 廣島大學櫻曼荼羅 > ソメイヨシノ
ソメイヨシノ Cerasus ×yedoensis (Matsum.) Masam. & S.Suzuki 'Somei-yoshino'
ソメイヨシノ(Somei-yoshino 染井吉野):C. ×yedoensis (Matsum.) Masam. & S.Suzuki 'Somei-yoshino'
エドヒガン群栽培品種.3月下旬~4月上旬開花.一重.花弁は淡紅白色.花弁は散りやすい.開花が先行し次いで葉が展開する.花付きが良く成長が早い.日本全国に広く植栽されている品種で,花見のサクラの代表.
シノニム synonym
- Prunus ×yedoensis Matsum.
- Cerasus ×yedoensis (Matsum.) A.V.Vassil.
解説
- 栽培品種(エドヒガン群栽培品種)
- 植栽
広島大学内での生育場所
- 全域(東広島キャンパス)
由来
コラム
ソメイヨシノと桜前線
ソメイヨシノは,野生の植物ではなく,江戸時代末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋から全国に広まった栽培品種である.稔性がほとんどなく,実生も性質が変わるため,接ぎ木によって苗が生産される.このため,各地で見られるソメイヨシノはすべて遺伝的に同じもの(クローン)である.最近のDNA を使った研究で,エドヒガンとオオシマザクラ,ヤマザクラなど複数のサクラの遺伝的な特徴をもっていることが分かっている.
日本列島の南から北上する桜前線は,北海道や沖縄を除き,おもにソメイヨシノの開花状況を対象としたものである.これはソメイヨシノがクローンであることと関係している.ソメイヨシノは温度に敏感で,ある温度になると一斉に花を開花させる.クローンであるため,別の個体であっても遺伝的に同じような性質を示し,同じ環境にあればほぼ同時に開花が始まることから観測に適している. ソメイヨシノが全国的に植栽されている背景のひとつに明治以降昭和までの日本の軍国主義拡張がある.また,明治以降の東京中心の中央集権的な国家体制の確立とともに全国に広く植栽された.ソメイヨシノは花付きが良く,成長も早いという都合が良い性質をもつ一方で,病害虫に弱く,100 年を超すような老樹の維持はコストがかかる.東広島キャンパス内では工学部南西の法面,陸上競技場周辺で旺盛に育ち,花見の好適地となりつつあるが,やがて古木の維持・管理が必要になる.平和を標榜する広島大学としては,今後のサクラの植栽・補植にあたって,寿命が長い栽培品種を中心に植栽するのが好ましいと考える.
備考
ソメイヨシノ(染井吉野)
基本データ
- 和名・品種名
- 染井吉野
- 読み
- ソメイヨシノ
- 開花期
- 4月上旬
- 色
- 淡紅白色
- 花弁数
- 一重
- サイズ
- 高木
- 樹形
- 場所
- 全域
- 本数
- 770
ギャラリー Gallery 画廊
関連ページ
- ソメイヨシノ(広島県植物誌)
- 宮島のソメイヨシノ
- 広島大学東広島キャンパスのサクラ(ソメイヨシノ)廣島大學櫻曼荼羅
- 広島大学東広島キャンパスのソメイヨシノ(多言語対応)
- 広島大学東広島キャンパスの植栽
- 宮島のサクラ
広島大学 > 広島大学デジタルミュージアム > キャンパスまるごと博物館 > 広島大学の自然 > 東広島キャンパスのサクラ > 廣島大學櫻曼荼羅 > ソメイヨシノ