「トビズムカデ 広島大学東広島キャンパス」の版間の差分

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=トビズムカデ(広島大学東広島キャンパス)=
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==和名==
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*[[トビズムカデ]]
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==学名==
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*Scolopendra mutilans
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==分類==
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*オオムカデ科 Scolopendridae
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==分布==
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*本州・四国・九州・沖縄
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==概要==
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*夜行性の節足動物。日中は主に朽木の裏などの日の当たらない場所にいる。
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*成体は全長10~15cmにもなる、本州最大のムカデである。
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*赤い頭部に黒い胴体、黄色または赤色の脚が特徴的。
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*顎肢と呼ばれる、毒腺を伴った牙のような機能を持つ脚を持ち、それを用いて捕食行動、防衛行動を行う。
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*東広島キャンパスでの個体数は多い。
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==食性==
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*肉食傾向の強い雑食性。
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*コオロギ、カエル、ネズミなどの小動物の捕食や死骸を漁る。
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*樹液をなめているところや、植物の実を食べているところの目撃例もある。
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*一度も食事をとらないままでも1ヶ月以上生き延びることができる。
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*捕食の際には顎肢を用いる。目が非常に退化しており、明暗を感じ取る程度にしか使うことができないため、主に接触刺激によって獲物を認識し、獲物と認識した瞬間に顎肢で噛みつく。
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*力が強く、貪欲であるため、捕食中にほかの個体が
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==繁殖==
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*卵が乾燥に弱いため、繁殖期は5-6月の梅雨の時期。十分な湿度があり、かつ暗所などの目立たない場所を選んで産卵を行う。
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*メスは卵を背中に乗せるようにして、40-50個の卵を産む。
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*産卵後に卵を囲み、舐めることによって卵を乾燥から守る。
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*卵がかえり、自分で餌をとれるようになるまでの間、保護し続ける。その間、食事は行わない。
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*哺乳類などとは異なり、保護し続けるだけであり、餌を与えるような行為は行わない。
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*この保護の過程で外敵からの攻撃を受けた場合や、湿度が足りなくなるなど繁殖に適さない状況になった場合、自身の産んだ卵を食べる。産卵は非常にエネルギーを使う行為であるため、繁殖に失敗すると判断した際に消費したエネルギーを補給するための行為だと考えられる。
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==備考==
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*寿命は7年ほど。
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*[[トビズムカデ|トビズムカデの解説ページ]]
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[[Category:動物]]
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[[Category:広島大学の自然]]
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[[Category:広島大学]]
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[[Category:東広島植物園]]
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[[Category:ト]]
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[[Category:オオムカデ目]]
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[[Category:オオムカデ科]]
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[[Category:広島県]]
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==関連ページ==
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*[[トビズムカデとアオズムカデの見分け方]]
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==参考文献==
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*萩原康夫・吉田 譲・島野智之・塚本勝也・前原 忠.  2019.  土の中の美しい生き物たち 超拡大写真で見る不思議な生態.  161 pp.  朝倉書店, 東京.
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[[Category:虫]]
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[[Category:節足動物]]
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[[Category:ムカデ綱]]
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[[Category:オオムカデ科]]
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[[Category:ト]]
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[[Category:CSR]]

2022年11月8日 (火) 09:10時点における版

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トビズムカデ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May 15, 2021)
トビズムカデの成体.脚の赤い個体.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Sep. 20, 2020)

トビズムカデ(広島大学東広島キャンパス)

和名

学名

  • Scolopendra mutilans

分類

  • オオムカデ科 Scolopendridae

分布

  • 本州・四国・九州・沖縄

概要

  • 夜行性の節足動物。日中は主に朽木の裏などの日の当たらない場所にいる。
  • 成体は全長10~15cmにもなる、本州最大のムカデである。
  • 赤い頭部に黒い胴体、黄色または赤色の脚が特徴的。
  • 顎肢と呼ばれる、毒腺を伴った牙のような機能を持つ脚を持ち、それを用いて捕食行動、防衛行動を行う。
  • 東広島キャンパスでの個体数は多い。

食性

  • 肉食傾向の強い雑食性。
  • コオロギ、カエル、ネズミなどの小動物の捕食や死骸を漁る。
  • 樹液をなめているところや、植物の実を食べているところの目撃例もある。
  • 一度も食事をとらないままでも1ヶ月以上生き延びることができる。
  • 捕食の際には顎肢を用いる。目が非常に退化しており、明暗を感じ取る程度にしか使うことができないため、主に接触刺激によって獲物を認識し、獲物と認識した瞬間に顎肢で噛みつく。
  • 力が強く、貪欲であるため、捕食中にほかの個体が

繁殖

  • 卵が乾燥に弱いため、繁殖期は5-6月の梅雨の時期。十分な湿度があり、かつ暗所などの目立たない場所を選んで産卵を行う。
  • メスは卵を背中に乗せるようにして、40-50個の卵を産む。
  • 産卵後に卵を囲み、舐めることによって卵を乾燥から守る。
  • 卵がかえり、自分で餌をとれるようになるまでの間、保護し続ける。その間、食事は行わない。
  • 哺乳類などとは異なり、保護し続けるだけであり、餌を与えるような行為は行わない。
  • この保護の過程で外敵からの攻撃を受けた場合や、湿度が足りなくなるなど繁殖に適さない状況になった場合、自身の産んだ卵を食べる。産卵は非常にエネルギーを使う行為であるため、繁殖に失敗すると判断した際に消費したエネルギーを補給するための行為だと考えられる。

備考



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関連ページ

参考文献

  • 萩原康夫・吉田 譲・島野智之・塚本勝也・前原 忠. 2019. 土の中の美しい生き物たち 超拡大写真で見る不思議な生態. 161 pp. 朝倉書店, 東京.

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