「ハコネサンショウウオ」の版間の差分
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* 幼生は変態までに2年以上かかるため,生息地では4~5 cm(0+),約8 cm(1+),約10 cm(2+)の3段階の幼生が見られ,いずれも黒い鈎爪(かぎづめ)をもち,前後肢に膜ひれが発達している. | * 幼生は変態までに2年以上かかるため,生息地では4~5 cm(0+),約8 cm(1+),約10 cm(2+)の3段階の幼生が見られ,いずれも黒い鈎爪(かぎづめ)をもち,前後肢に膜ひれが発達している. | ||
* 爪は変態後に落ちるが,繁殖期に水中に入るために雌雄とも再び生えてくる. | * 爪は変態後に落ちるが,繁殖期に水中に入るために雌雄とも再び生えてくる. | ||
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2022年5月27日 (金) 05:25時点における版
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ハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 両生綱 Amphibia > 有尾目 Caudata > サンショウウオ科 Hynobiidae > ハコネサンショウウオ属 Onychodactylus > ハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus
解説
- 本州の東北南部から西中国山地にかけて分布する日本固有種.
- 広島県では,中央中国山地・西中国山地の900 m を超える渓流域に生息し,西中国山地はほぼ西限にあたる.
- 成体は肺がなく皮膚呼吸をする.
- オスの後肢は太く発達し,流れの強い渓流に適応していると思われる.
- 成体を発見することは難しいが,生息地の川の流れの中でよく幼生を見かけることができる.
- 幼生は変態までに2年以上かかるため,生息地では4~5 cm(0+),約8 cm(1+),約10 cm(2+)の3段階の幼生が見られ,いずれも黒い鈎爪(かぎづめ)をもち,前後肢に膜ひれが発達している.
- 爪は変態後に落ちるが,繁殖期に水中に入るために雌雄とも再び生えてくる.
- Yoshikawa et al. (2013)によるシコクハコネサンショウウオ Onychodactylus kinneburi の記載時に,広島県にはハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus とシコクハコネサンショウウオが同所的に分布するとされた.
- ハコネサンショウウオとシコクハコネサンショウウオは,ハコネサンショウウオの方が小型で胸部に1対の斑紋をもつ点で識別できる.
天然記念物・RDB
- 環境省RDBカテゴリ:該当なし
- 広島県RDBカテゴリ(2003):絶滅危惧I類(CR+EN)
- 広島県RDBカテゴリ(2011):絶滅危惧II類(VU)
- 広島県RDBカテゴリ(2021):絶滅危惧II類(VU)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
- Japanese clawed salamander
広島県方言
- なし(チュウゴクブチサンショウウオの幼生地方名「かく」と混用)
備考
関連ページ
参考文献
- 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島.
- 国領康弘. 1979. 原色両生・爬虫類. 114-115 pp. 家の光協会, 東京.
- 松井正文・関慎太郎. 2008. カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック. 79 pp. 文一総合出版, 東京.
- 佐藤井岐雄. 1943. 日本産有尾類総説. 536 pp. 日本出版社, 大阪.
- 中村健児・上野俊一. 1963. 原色日本両生爬虫類図鑑. 214 pp. 保育社, 大阪.
- 吉川夏彦. 2015. 最近のハコネサンショウウオ属の分類に関する雑記. 両生類誌 27: 1-8.
- Yoshikawa, N., Matsui, M., Tanabe, S. and Okayama, T. 2013. Description of a new salamander of the genus Onychodactylus from Shikoku and Western Honshu, Japan (Amphibia, Caudata, Hynobiidae. Zootaxa. 3693(4): 441-464.
更新履歴
- 2015.07.14 ページ作成.
- 2016.12.29 シコクハコネサンショウウオに関する備考を追加.
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