ミミズバイ 宮島の植物と自然
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動ミミズバイ Symplocos glauca (Thunb.) Koidz.
分類
ハイノキ科 Symplocaceae,ハイノキ属 Symplocos
解説
高さ5-10 mになる常緑樹.全縁または先端に近い部分にわずかに鋸歯(きょし)がある.枝は太いが,折れやすい.花期は6月下旬-7 月下旬.花は白色で,多数の長い雄しべをもつ.開花から2年半後の11-12 月に果実が成熟し,黒紫色になる.幹にスミレモ類が着きやすく,オレンジ色になることがある.千葉県以西の本州から太平洋沿岸に沿って見られ,琉球,台湾を経てインドシナまで分布する.瀬戸内海では稀(まれ)で,広島県の宮島以外では島嶼部(とうしょぶ)の社叢(しゃそう)などにわずかに見られる.宮島では林内に一般的に見られるが,とくに谷沿いに多いが,海抜300 m以上では少ない.モミやツガと共に生育する姿は宮島以外ではほとんど見られない.宮島のミミズバイは分布の北限に近い貴重な存在.
「宮島の植物と自然」内のページ
「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.
- 82-83 pp.