「東広島キャンパスの生き物」の版間の差分

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*[[東広島キャンパスの花ごよみ|植物のページはこちら(東広島キャンパスの花ごよみ)]]
 
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ファイル: 20210831ムネアカハラビロカマキリ成虫オス_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_235643s.jpg|250px|thumb|right|ムネアカハラビロカマキリの成虫(オス).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎,Aug. 31, 2021)
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ファイル: 20210831ムネアカハラビロカマキリ胸部_東広島市鏡山_南葉撮影_IMG_235678s.jpg|250px|thumb|right|ムネアカハラビロカマキリの成虫(オス).前胸腹板が全体的に赤い.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Aug. 31, 2021)
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*2021.09.16 キャンパス内で[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]が鳴いています.
 
*2021.09.16 キャンパス内で[[スズムシ_広島大学東広島キャンパス|スズムシ]]が鳴いています.

2021年9月18日 (土) 19:57時点における版

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キャンパスで現在見られる動物の情報です.名前や写真をクリックすると解説ページに移動します(黄色く反転しているリンクは作成中のページです).

2021

トピックス

  • 東広島キャンパスで再びムネアカハラビロカマキリが発見されました.キャンパスでは2019年に初めて確認されました.在来のハラビロカマキリに比べ大型で,名前通り胸部が全体的に赤いのが特徴です.本種は中国原産の外来種で,在来種を駆逐することが懸念されています.個別ページに詳細な識別方法が掲載されていますので,キャンパス内で発見された場合は情報提供をお願いします.

9月

  • 2021.09.16 キャンパス内でスズムシが鳴いています.

8月

  • 2021,08.01-23 夜のキャンパス内では鳴く虫が発生しています.ウマオイ類は林縁部や草地に見られる肉食性のキリギリスで,キャンパスではハヤシノウマオイハタケノウマオイが混生しています.ハヤシノは「スィーーー・チョン」とゆっくりとしたテンポで鳴き,ハタケノは「シ・チョン!シ・チョン!」と早いテンポで鳴くことで識別できます(形態による識別は困難).丈の高いススキが茂る草地では,カヤキリが見られます.日本最大級のキリギリスで,「ジャーーーーー」と非常に大きい声で鳴きます.
  • ヤママユが発生しています.本州で見られる蛾では最大級で,オスは翅が細く,メスは翅が丸いです.ゴマフボクトウも発生しており,細長い形と青い斑紋が特徴です.
  • 2021.08.23 キャンパス内でチッチゼミが鳴いています.キャンパスで最も遅い時期に鳴くセミです.
  • 2021.08.20 キャンパス内でツクツクボウシが鳴いています.
  • 2021.08.04 キャンパス内でクマゼミが鳴き始めました.
  • 2021.08.03 キャンパス内でミンミンゼミが鳴き始めました.

トピックス

  • 6月28日に,東広島キャンパスにおいてアライグマが発見されました.5頭の幼獣が固まって見つかったことから構内で繁殖をしている可能性が高いです.アライグマは特定外来生物に指定されており,農業や生態系に大きな影響を与えています.特に学内では,ニホンアカガエルニホンイシガメなど在来の両生類や爬虫類に対する捕食圧が懸念されます.ホンドタヌキニホンアナグマに似ますが,目の周りの黒い模様が左右繋がって見えること,尾が縞々模様であることなどが特徴です.

7月

  • 2021.07.08-07.30 7月上旬~中旬は,ニイニイゼミの声がよく聞こえました.「チィー…」と長く鳴き続けます.日没からは,セミたちの羽化の様子を観察することができました.ヒグラシは薄暗い森林内の低木で,クマゼミは公園や道路脇の植栽樹木などで羽化をしていることが多いです.
  • 夜の林縁部ではウスバカゲロウがよく飛んでいます.翅には目立った模様はなく,ゆらゆらと飛翔します.砂地にすり鉢状の巣を作るアリジゴクとはこのウスバカゲロウの幼虫のことです.アリジゴクは巣に落ちた虫などを大アゴで捕らえ,体液を吸い取ります.
  • 7月中旬まではあまり見られなかったミヤマクワガタですが,下旬になるにつれて樹液を吸う姿を観察できるようになりました.カブトムシは7月を通して個体数が多く,オス同士で激しく争う様子も見られました.ベニスズメなどのスズメガ類も夜に樹液を吸っていました.
  • 昼の樹液にはカナブン類が多く見られます.東広島キャンパスでは主にカナブンアオカナブンの2種がよく見られます.まれにオオムラサキが樹液に集まる姿も観察することができます.薄暗い林内では,昼間でもオニベニシタバが樹液を吸いに現れます.
  • 枝の切れ端に擬態しているツマキシャチホコ類です.クロツマキシャチホコはキャンパスで最も個体数の多いツマキシャチホコ類で,翅頂の黄白色紋の前縁が茶褐色に色づいています.一方のムクツマキシャチホコは,キャンパス内での個体数は少なく,翅頂の黄白色紋の前縁は黒色に縁取られます.また,翅の中央付近の白斑が目立ちます.これら2種に加え,日本にはツマキシャチホコとタカサゴツマキシャチホコの計4種のツマキシャチホコ類が分布しています.モンクロシャチホコはこれらにあまり似ていませんが,同じ属に分類されます.
  • キリギリスの仲間です.日当たりの良い草地ではニシキリギリスが鳴いています.「チョン・ギース!」と断続的に鳴きます.湿った丈の低い草地ではヒメギスが見られます.全体的に黒褐色をしており,弱く短い音で「シリリリリ…」と鳴きます.夜間の樹上や薮ではヤブキリが鳴きます.ヒメギスよりも強い音で「シリリリリ…」と鳴きます.
  • 2021.06.22-07.07 6月下旬から7月にかけても,雨が降る日が続きました.小雨が降る生態実験園ではオタマジャクシから変態したばかりのニホンアカガエルシュレーゲルアオガエルの幼体が数多く見られます.林縁の葉上では陸生プラナリアであるゲオプラナ亜科の一種も観察することができました.コウガイビル同様多くの眼点(視覚器官)をもち,小動物を捕らえて捕食します.
  • アラカシの樹液ではノコギリクワガタが見られました.大型のクワガタムシで雌雄ともに赤みを帯びます.オスは大きさによって大アゴの形が異なり,大型個体では湾曲し小型個体では真っ直ぐになります.樹液にはスズメバチの仲間も飛来するので観察の際には要注意です.他のスズメバチは深夜には樹液に集まらないことが多いですが,オオスズメバチの女王やモンスズメバチは夜明けまで滞在していることがあり,懐中電灯目掛けて飛んでくることもあります.その際には慌てずライトを消して対処しましょう.
  • 樹液に集まるヤガ科には,Catocala(カトカラ)というグループが存在します.後翅に鮮やかな斑紋をもつ蛾が多く,初夏~晩夏にかけて観察することができます.ここでは,カトカラの中で○○キシタバという名を冠する種を掲載します.(おおよその出現時期順に並べています.)
  • ガマヨシなど,抽水植物の多いため池ではアオヤンマが生息します.全身が鮮やかな緑色をしており,抽水植物の間を縫うように飛びます.また,同様に水草の豊富なため池にはチョウトンボも見られます.蝶のようにひらひらと舞うように飛び,東広島キャンパスでは数も多く目にする機会が多いトンボです.湿地では日本最小のトンボであるハッチョウトンボが見られます.
  • 東広島キャンパスで見られる大型のコガネムシには,コフキコガネオオコフキコガネがいます.両種ともに体表が細毛で覆われているのが特徴ですが,名が指すほど体長に差がなく,やや識別に難儀します.しかし,コフキでは毛の色が黄褐色なのに対し,オオコフキでは毛の色が灰白色といった特徴があります(これらの毛は脱落している場合もあるので注意).ヒメコガネは変異の大きいコガネムシで,赤・緑・青と様々な色の個体を見つけることができます.ドウガネブイブイアオドウガネもよく見られるコガネムシです.

6月

  • 2021.06.13-18 東広島キャンパスではゲンジボタルが舞っています.主に小川や渓流を生息地とし,日本産ホタルの中でも大型種で光もよく目立ちます.かつてはキャンパス内の湿地でヘイケボタルも多く見られましたが,アメリカザリガニの侵入などとともに激減し,現在では数年に一度目撃されるのみになってしまいました.これらの2種に加え,キャンパス内ではオオマドボタルオバボタルムネクリイロボタルの計5種が確認されています.後3種は昼行性で,強く発光することはありません.ここではオオマドボタルを除いた4種の写真を掲載します.
  • アラカシアベマキなどのブナ科から染み出す樹液に多くのクワガタムシが集まるようになりました.スジクワガタコクワガタは同所的に見られ酷似していますが,スジクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が二股に分かれて2本に見え,一方コクワガタの大型個体(オス)では大顎の内歯が1本だけであることで識別できます.しかし,メスやオスの小型個体では当てはまらないため要注意です.ネブトクワガタは他の甲虫が集まらない樹種(モミケンポナシなど)に集まっていることが多いです.
  • 梅雨期はイラガ科の蛾をよく見かけます.多くの種で幼虫がデンキムシと呼ばれる有毒の派手なケムシですが,成虫は無毒です.ヒロヘリアオイラガクロシタアオイラガアオイラガなどのアオイラガ類は緑と褐色を基調としており,やや同定が難しいグループです.
  • 葉が茂り見つけづらくはなりましたが,早朝や夕方には夏鳥の活発な姿が見られます.ホトトギスはオスは「テッペンカケタカ!」と聞きなしされる声でよく鳴いていますが,姿を観察するのはやや難しいです.コサメビタキは秋の渡り期まではキャンパス内で見ることができます.オオルリは朝にネズの一番上にとまって囀る様子を観察することができました.
  • 初夏の間にしか鳴き声を聞くことができないバッタ類の紹介をします.ナキイナゴススキなどが茂る丘陵の草地に多く,オスは日中脚と翅をこすり合わせて「ジキジキジキ...」と鳴きます.キンヒバリ生態実験園ふれあいビオトープの湿地に多く,主に夜間「リッリッリッリーー」と高い声で鳴きます.コガタコオロギは空き地や荒地の物陰で「ビー!!」と鳴き,意識すると夜の広大通りやブールバールでよく鳴いているのがわかります.
  • 6月の上旬~中旬にかけては,アカシジミウラナミアカシジミなど樹上性のシジミチョウであるゼフィルスを観察することができました.夕方になると活性が高まり,コナラアベマキの周囲を飛翔する姿が見られます.ゴイシシジミは成虫がササ類につくアブラムシ(ササコナフキツノアブラムシ)の分泌液を吸うため,ササの茂る環境で観察されます.
  • 2021.06.5-06.12 キャンパス内で見られるコマチグモ科3種の紹介です.カバキコマチグモは在来種のクモの中でも強い毒をもつとされ,不用意に掴むと咬まれる恐れがあるので,観察の際には要注意です.本種はススキが繁茂する草地で見られることが多いですが,後2種は樹上性です.アシナガコマチグモは雌雄ともに足が長く,夜になると樹上を活発に動きます.ヤサコマチグモは前2種に比べると小型のコマチグモで,メスでは脚が短いです.本種も夜に樹上を徘徊しています.
  • 田植えが終わった生態実験園の水田では、ケラが泳ぐ姿を観察することができました.基本地中に生息している本種ですが,水面を滑るように泳ぐこともできます.ケラの多い湿地にはミイデラゴミムシも多く見られます.つままれたりすると,腹部の先端から高温のガスを噴射しますがその音が「プーッ!!」とおならのような音であることから「へっぴり虫」と呼ばれてきました.


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