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2011年10月16日の第517回植物観察会は,福山市駅家町蛇円山(545.8 m)で行われた.県道419号線服部本郷からの登山道口付近に10時集合.集合場所が漠然としていて分かりにくい事もあったが参加者37名で盛況であった.蛇円山の地質は東方に位置する山野峡と同じ古生代の堆積岩であり,豊富な植物相が期待される所であった.谷筋を通る登山道は水に洗われた石で足場が悪く歩き難い状態であった.森林の高木層にはケヤキとアラカシが目立ち,アベマキ,スギ,ホソバタブ,ナナメノキ等も見られた.亜高木層としてはヤブツバキとアラカシが圧倒的に多く,ネズミモチ,シラカシ,アカメガシワ,イヌビワ等も見られた.低木層にはアオキが目立ち,コクサギ,ヤマブキ,ヒサカキ,シュロ,ナンテン等があり,草本層にはヤマアイ,カテンソウ,キツネノカミソリ,ヤマガシュウ,イワガネソウ,ミヤマフユイチゴ,アオミズ等があった.谷筋急斜面の植生は基本的に山野峡(竜頭峡)と同じものといえる.登山道が谷筋から直角に曲がって尾根筋に向かうと,植生も変化して,ソヨゴ,リョウブ,イヌツゲ,コナラ,ミヤマガマズミ,タカノツメ,コシダ等が見られるようになり,海抜高400 mを超えると,コバノミツバツツジ,ネジキ,アセビ,ヤマツツジ,ナツハゼ,スノキ,コシアブラ等が豊富に見られるようになってアカマツ二次林と同じ種組成を示すようになる.海抜高500 m付近の見晴らしの良い場所で昼食をとる.そこから見る平坦な神石高原はすばらしいものであった.山頂までの長い階段を上ると神社があり,球果をつけたツガの木が印象的であった.
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2011年10月16日の第517回植物観察会は,福山市駅家町蛇円山(545.8 m)で行われた.県道419号線服部本郷からの登山道口付近に10時集合.集合場所が漠然としていて分かりにくい事もあったが参加者37名で盛況であった.蛇円山の地質は東方に位置する山野峡と同じ古生代の堆積岩であり,豊富な植物相が期待される所であった.谷筋を通る登山道は水に洗われた石で足場が悪く歩き難い状態であった.森林の高木層には[[ケヤキ]]と[[アラカシ]]が目立ち,[[アベマキ]],[[スギ]],[[ホソバタブ]],[[ナナメノキ]]等も見られた.亜高木層としては[[ヤブツバキ]]と[[アラカシ]]が圧倒的に多く,[[ネズミモチ]],[[シラカシ]],[[アカメガシワ]],[[イヌビワ]]等も見られた.低木層には[[アオキ]]が目立ち,[[コクサギ]],[[ヤマブキ]],[[ヒサカキ]],[[シュロ]],[[ナンテン]]等があり,草本層には[[ヤマアイ]],[[カテンソウ]],[[キツネノカミソリ]],[[ヤマガシュウ]],[[イワガネソウ]],[[ミヤマフユイチゴ]],[[アオミズ]]等があった.谷筋急斜面の植生は基本的に山野峡(竜頭峡)と同じものといえる.登山道が谷筋から直角に曲がって尾根筋に向かうと,植生も変化して,[[ソヨゴ]],[[リョウブ]],[[イヌツゲ]],[[コナラ]],[[ミヤマガマズミ]],[[タカノツメ]],[[コシダ]]等が見られるようになり,海抜高400 mを超えると,[[コバノミツバツツジ]],[[ネジキ]],[[アセビ]],[[ヤマツツジ]],[[ナツハゼ]],[[スノキ]],[[コシアブラ]]等が豊富に見られるようになってアカマツ二次林と同じ種組成を示すようになる.海抜高500 m付近の見晴らしの良い場所で昼食をとる.そこから見る平坦な神石高原はすばらしいものであった.山頂までの長い階段を上ると神社があり,球果をつけた[[ツガ]]の木が印象的であった.
 
<div style="text-align:right">(G. Toyohara 記)</div>
 
<div style="text-align:right">(G. Toyohara 記)</div>
  

2013年4月20日 (土) 20:22時点における最新版

ヒコビアミニレター No. 394 (2011年11月4日)

2011年10月16日の第517回植物観察会は,福山市駅家町蛇円山(545.8 m)で行われた.県道419号線服部本郷からの登山道口付近に10時集合.集合場所が漠然としていて分かりにくい事もあったが参加者37名で盛況であった.蛇円山の地質は東方に位置する山野峡と同じ古生代の堆積岩であり,豊富な植物相が期待される所であった.谷筋を通る登山道は水に洗われた石で足場が悪く歩き難い状態であった.森林の高木層にはケヤキアラカシが目立ち,アベマキスギホソバタブナナメノキ等も見られた.亜高木層としてはヤブツバキアラカシが圧倒的に多く,ネズミモチシラカシアカメガシワイヌビワ等も見られた.低木層にはアオキが目立ち,コクサギヤマブキヒサカキシュロナンテン等があり,草本層にはヤマアイカテンソウキツネノカミソリヤマガシュウイワガネソウミヤマフユイチゴアオミズ等があった.谷筋急斜面の植生は基本的に山野峡(竜頭峡)と同じものといえる.登山道が谷筋から直角に曲がって尾根筋に向かうと,植生も変化して,ソヨゴリョウブイヌツゲコナラミヤマガマズミタカノツメコシダ等が見られるようになり,海抜高400 mを超えると,コバノミツバツツジネジキアセビヤマツツジナツハゼスノキコシアブラ等が豊富に見られるようになってアカマツ二次林と同じ種組成を示すようになる.海抜高500 m付近の見晴らしの良い場所で昼食をとる.そこから見る平坦な神石高原はすばらしいものであった.山頂までの長い階段を上ると神社があり,球果をつけたツガの木が印象的であった.

(G. Toyohara 記)

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