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= ヒコビアミニレター No. 410(2013年2月4日) =
 
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 2013年1月20日の観察会は,三原市米田山で行われた.天気は晴れ.参加者は52名.JR三原駅に9時30分集合.JRの高架をくぐり,酔心山根本店の前を通り,松寿寺へ.本堂の屋根は銅版葺きで,地上部には銅と関連の深いホンモンジゴケ(広島県:絶滅危惧Ⅱ類)が生育している.また境内の古い小さな建物の屋根にはツメレンゲ(環境省:準絶滅危惧,広島県:保護上重要な種)が多数見られた.三原バイパスの北側から登る.登り口の川沿いにはエノキやアキニレが見られた.急傾斜は落葉広葉二次林からなり,ナナメノキやアベマキ,コナラ,ヤブツバキ,ネズミモチ,アセビなどを見ながら登る.尾根筋でリュウノウギクやメガルガヤを見る.豊原先生はクロキの個体数を数えながら登る(分布の東限に近い).象山(277 m)で昼食.瀬戸内海の多島美を満喫する.午後はオケラ(枯)を見ながら危険な尾根筋を米田山(357 m)に向かう.尾根筋は貧弱なアカマツ林である.鞍部からほぼ一直線に山頂へ.大きなフジのつるを見る.帰路は鞍部から糸崎町に向けて降りる.谷筋はよく発達した落葉広葉二次林であった.ジャノヒゲ(果実)やイボタノキを見る.住宅地からはJR糸崎駅と三原駅に行く人があり,解散とする.国道2号線付近から登った山をみると,西側は落葉広葉二次林で,東側はマツ枯れの進むアカマツの二次林である.冬枯れのためその違いがよく判る.地質の違いが植生の差となったのであろう.
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 2013年1月20日の534回植物観察会は,三原市米田山で行われた.天気は晴れ.参加者は52名.JR三原駅に9時30分集合.JRの高架をくぐり,酔心山根本店の前を通り,松寿寺へ.本堂の屋根は銅版葺きで,地上部には銅と関連の深いホンモンジゴケ(広島県:絶滅危惧Ⅱ類)が生育している.また境内の古い小さな建物の屋根にはツメレンゲ(環境省:準絶滅危惧,広島県:保護上重要な種)が多数見られた.三原バイパスの北側から登る.登り口の川沿いにはエノキやアキニレが見られた.急傾斜は落葉広葉二次林からなり,ナナメノキやアベマキ,コナラ,ヤブツバキ,ネズミモチ,アセビなどを見ながら登る.尾根筋でリュウノウギクやメガルガヤを見る.豊原先生はクロキの個体数を数えながら登る(分布の東限に近い).象山(277 m)で昼食.瀬戸内海の多島美を満喫する.午後はオケラ(枯)を見ながら危険な尾根筋を米田山(357 m)に向かう.尾根筋は貧弱なアカマツ林である.鞍部からほぼ一直線に山頂へ.大きなフジのつるを見る.帰路は鞍部から糸崎町に向けて降りる.谷筋はよく発達した落葉広葉二次林であった.ジャノヒゲ(果実)やイボタノキを見る.住宅地からはJR糸崎駅と三原駅に行く人があり,解散とする.国道2号線付近から登った山をみると,西側は落葉広葉二次林で,東側はマツ枯れの進むアカマツの二次林である.冬枯れのためその違いがよく判る.地質の違いが植生の差となったのであろう.
 
<div style="text-align:right">(Y. Yoshino 記)</div>
 
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2014年2月1日 (土) 15:23時点における版

ヒコビアミニレター No. 410(2013年2月4日)

 2013年1月20日の534回植物観察会は,三原市米田山で行われた.天気は晴れ.参加者は52名.JR三原駅に9時30分集合.JRの高架をくぐり,酔心山根本店の前を通り,松寿寺へ.本堂の屋根は銅版葺きで,地上部には銅と関連の深いホンモンジゴケ(広島県:絶滅危惧Ⅱ類)が生育している.また境内の古い小さな建物の屋根にはツメレンゲ(環境省:準絶滅危惧,広島県:保護上重要な種)が多数見られた.三原バイパスの北側から登る.登り口の川沿いにはエノキやアキニレが見られた.急傾斜は落葉広葉二次林からなり,ナナメノキやアベマキ,コナラ,ヤブツバキ,ネズミモチ,アセビなどを見ながら登る.尾根筋でリュウノウギクやメガルガヤを見る.豊原先生はクロキの個体数を数えながら登る(分布の東限に近い).象山(277 m)で昼食.瀬戸内海の多島美を満喫する.午後はオケラ(枯)を見ながら危険な尾根筋を米田山(357 m)に向かう.尾根筋は貧弱なアカマツ林である.鞍部からほぼ一直線に山頂へ.大きなフジのつるを見る.帰路は鞍部から糸崎町に向けて降りる.谷筋はよく発達した落葉広葉二次林であった.ジャノヒゲ(果実)やイボタノキを見る.住宅地からはJR糸崎駅と三原駅に行く人があり,解散とする.国道2号線付近から登った山をみると,西側は落葉広葉二次林で,東側はマツ枯れの進むアカマツの二次林である.冬枯れのためその違いがよく判る.地質の違いが植生の差となったのであろう.

(Y. Yoshino 記)

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