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− | 2014年4月20日の第551回植物観察会は三次市三和町敷名の三和総合運動公園周辺(450 m)で行われた.きのこ館横の駐車場に10時集合,参加者45名.この場所は最高標高約450 mの丘陵地で,アカマツ二次林の間に小さなため池が散在している.流紋岩(非アルカリ珪長質火山岩類)が風化した土壌は粘土分が多く,植物にとっては乾燥と湿潤が交互に繰り返されるという条件である.良く整備された歩道を歩き出すと[[サルトリイバラ]],[[ヒサカキ]],[[コバノミツバツツジ]],[[ヒメヤシャブシ]]が開花,少し離れた場所に,紅い葉が目立つ[[ヤマザクラ]]の残花と黄褐色の若葉を交えた満開の[[カスミザクラ]]が並んでいて,両種の開花時期と若葉の色を比較することができた.陽当たりのよい遊歩道上に[[ニオイタチツボスミレ]]が多数咲いているが草丈が低い.[[イヌツゲ]]の様子からもシカの食害と判断される.[[シハイスミレ]]も処々に.[[アカマツ]]の枯損が少ない場所で植生調査,高木層は約13 mで[[アカマツ]]が優占,亜高木層に[[ソヨゴ]],[[ナツハゼ]],[[ネズミサシ]],低木層に[[ヒサカキ]],[[アセビ]],[[イヌツゲ]]など,草本層に[[ヤマツツジ]],[[サルトリイバラ]],[[ヤブコウジ]],[[ウラジロ]]などが疎らに生育し,コケ層は[[シッポゴケ]],[[ホソバオキナゴケ]],[[カガミゴケ]]が見られる.付近に[[ウラジロガシ]]の低木が1本.スゲを探しておられた斉藤氏が平坦な尾根部で[[ヒメカンスゲ]],[[ヒカゲスゲ]],[[サワヒメスゲ]],ため池周辺の湿地で[[マメスゲ]]を見つけ,説明された.後の2種は県内でも珍しいとのこと.[[マメスゲ]]はシカに葉を食べられながら,低い花穂が中心部に残っている.広い湿地は冬枯れ状態であるが[[キシツツジ]]がつぼみを付け,[[ヒイラギ]],[[オオミズゴケ]]が確認された.午後は北側に下り,三次市指定「照円寺の孔雀松」を見学,左右に枝を低く広げた様子は見事である.付近の水田周辺には[[キランソウ]],[[ハルガヤ]],[[ムラサキサギゴケ]],[[スズメノヤリ]],[[オヘビイチゴ]],[[コメツブツメクサ]],[[タネツケバナ]],[[ノミノツヅリ]]が咲いていた. | + | 2014年4月20日の第551回植物観察会は三次市三和町敷名の三和総合運動公園周辺(450 m)で行われた.きのこ館横の駐車場に10時集合,参加者45名.この場所は最高標高約450 mの丘陵地で,アカマツ二次林の間に小さなため池が散在している.流紋岩(非アルカリ珪長質火山岩類)が風化した土壌は粘土分が多く,植物にとっては乾燥と湿潤が交互に繰り返されるという条件である.良く整備された歩道を歩き出すと[[サルトリイバラ]],[[ヒサカキ]],[[コバノミツバツツジ]],[[ヒメヤシャブシ]]が開花,少し離れた場所に,紅い葉が目立つ[[ヤマザクラ]]の残花と黄褐色の若葉を交えた満開の[[カスミザクラ]]が並んでいて,両種の開花時期と若葉の色を比較することができた.陽当たりのよい遊歩道上に[[ニオイタチツボスミレ]]が多数咲いているが草丈が低い.[[イヌツゲ]]の様子からもシカの食害と判断される.[[シハイスミレ]]も処々に.[[アカマツ]]の枯損が少ない場所で植生調査,高木層は約13 mで[[アカマツ]]が優占,亜高木層に[[ソヨゴ]],[[ナツハゼ]],[[ネズ|ネズミサシ]],低木層に[[ヒサカキ]],[[アセビ]],[[イヌツゲ]]など,草本層に[[ヤマツツジ]],[[サルトリイバラ]],[[ヤブコウジ]],[[ウラジロ]]などが疎らに生育し,コケ層は[[シッポゴケ]],[[ホソバオキナゴケ]],[[カガミゴケ]]が見られる.付近に[[ウラジロガシ]]の低木が1本.スゲを探しておられた斉藤氏が平坦な尾根部で[[ヒメカンスゲ]],[[ヒカゲスゲ]],[[サワヒメスゲ]],ため池周辺の湿地で[[マメスゲ]]を見つけ,説明された.後の2種は県内でも珍しいとのこと.[[マメスゲ]]はシカに葉を食べられながら,低い花穂が中心部に残っている.広い湿地は冬枯れ状態であるが[[キシツツジ]]がつぼみを付け,[[ヒイラギ]],[[オオミズゴケ]]が確認された.午後は北側に下り,三次市指定「照円寺の孔雀松」を見学,左右に枝を低く広げた様子は見事である.付近の水田周辺には[[キランソウ]],[[ハルガヤ]],[[ムラサキサギゴケ]],[[スズメノヤリ]],[[オヘビイチゴ]],[[コメツブツメクサ]],[[タネツケバナ]],[[ノミノツヅリ]]が咲いていた. |
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2014年5月12日 (月) 15:21時点における最新版
ヒコビアミニレター No. 427(2014年5月3日)
2014年4月20日の第551回植物観察会は三次市三和町敷名の三和総合運動公園周辺(450 m)で行われた.きのこ館横の駐車場に10時集合,参加者45名.この場所は最高標高約450 mの丘陵地で,アカマツ二次林の間に小さなため池が散在している.流紋岩(非アルカリ珪長質火山岩類)が風化した土壌は粘土分が多く,植物にとっては乾燥と湿潤が交互に繰り返されるという条件である.良く整備された歩道を歩き出すとサルトリイバラ,ヒサカキ,コバノミツバツツジ,ヒメヤシャブシが開花,少し離れた場所に,紅い葉が目立つヤマザクラの残花と黄褐色の若葉を交えた満開のカスミザクラが並んでいて,両種の開花時期と若葉の色を比較することができた.陽当たりのよい遊歩道上にニオイタチツボスミレが多数咲いているが草丈が低い.イヌツゲの様子からもシカの食害と判断される.シハイスミレも処々に.アカマツの枯損が少ない場所で植生調査,高木層は約13 mでアカマツが優占,亜高木層にソヨゴ,ナツハゼ,ネズミサシ,低木層にヒサカキ,アセビ,イヌツゲなど,草本層にヤマツツジ,サルトリイバラ,ヤブコウジ,ウラジロなどが疎らに生育し,コケ層はシッポゴケ,ホソバオキナゴケ,カガミゴケが見られる.付近にウラジロガシの低木が1本.スゲを探しておられた斉藤氏が平坦な尾根部でヒメカンスゲ,ヒカゲスゲ,サワヒメスゲ,ため池周辺の湿地でマメスゲを見つけ,説明された.後の2種は県内でも珍しいとのこと.マメスゲはシカに葉を食べられながら,低い花穂が中心部に残っている.広い湿地は冬枯れ状態であるがキシツツジがつぼみを付け,ヒイラギ,オオミズゴケが確認された.午後は北側に下り,三次市指定「照円寺の孔雀松」を見学,左右に枝を低く広げた様子は見事である.付近の水田周辺にはキランソウ,ハルガヤ,ムラサキサギゴケ,スズメノヤリ,オヘビイチゴ,コメツブツメクサ,タネツケバナ,ノミノツヅリが咲いていた.
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