植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter461
ヒコビアミニレター No. 461(2016年9月26日)
2016年9月11日の第585回観察会は比婆郡比和町の吾妻山で行われた.天気は晴れ,参加者は50名.休暇村吾妻山ロッジ駐車場に10時30分集合となっていたが,10時前にはバスを含めて多くの方が集合,出発時間まで付近で観察,ツリフネソウ,ミゾソバ,ヒメキンミズヒキ,ゲンノショウコ,イヌタデ,アシボソが開花中,サワフタギが瑠璃色の果実を着けている.コースの概要説明後に出発,直径1 mを超えるアカイタヤの大木があり,伊藤之敏さんから発見のいきさつ,イタヤカエデと違いについて説明を受ける,配布された見事な図は氏の直筆で「ひろしまの林業」誌の扉絵として連載されたもの(2008年10月号).疎林内の路傍にはウバユリ,ユキザサ,マルバフユイチゴ,チゴユリに果実,ミズヒキ,タニソバ,オオカニコウモリ,ケヤブハギ,タンナトリカブト,ビッチュウアザミ,ハナタデ,ヤマミゾソバ,オオネズミガヤ,フシグロセンノウに花,特定外来植物のオオハンゴンソウも花,フユノハナワラビとオオハナワラビの栄養葉の違いを見る.樹木はブナ,ミズナラ,ハルニレ,タニウツギ,コハウチワカエデ,イヌツゲ,クロモジ,ハクウンボク,ツノハシバミ,ミヤマガマズミ,ウリハダカエデ,ヒメユズリハ,コマユミなど.ケヤキが多い立地から,堆積土壌が安定したトチノキ,サワグルミの森林になる.林床にはリョウメンシダ,ジュウモンジシダ,水湿地にウワバミソウが群生,茎の節部が膨らんだ「むかご」が多い.南の原1070 m辺りから尾根道になり低木群落に,放牧時代の名残りのレンゲツツジにアカモノ,アキグミ,コマユミ,ケアクシバ,ツタウルシ,シモツケ,タンナサワフタギが混じる.マルバハギ,オトギリソウ,アリノトウグサ,ツリガネニンジン,イヨフウロ,ヤマハッカ,アキノキリンソウ,カワラナデシコ,ワレモコウ,ウツボグサ,ホソバノヤマハハコ,オミナエシ,ツシマママコナ,タンナトリカブト,リンドウ,ヨツバヒヨドリ,イブキトラノオ,シラヤマギク,キバナノカワラマツバ,キュウシュウコゴメグサ,マツムシソウなどに花,ホソバシュロソウ,コバギボウシ,ダイセンキスミレ,イワカガミなどが見られる.山頂近くのキャラボクは中国山地に多い.山頂から少し下るとサンカクヅルに果実,ヤマラッキョウのつぼみが開きそう.小さな湿地にアカバナ,アケボノソウ,チゴザサ,チダケサシ,ノダケなどの花,傾斜が緩くなると群生したクロバナヒキオコシに花,池の原の湿地にはマアザミ,タムラソウが花盛りであった.
デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる