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今後の取り組み
 
今後の取り組み
・調査研究による標本資料の収集
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&br;・調査研究による標本資料の収集
総合研究で進められているミャンマーなどのコレクションの充実を図り,各地の生物多様性解明に資する.
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&br;総合研究で進められているミャンマーなどのコレクションの充実を図り,各地の生物多様性解明に資する.
・エキシカータ標本の発行と交換
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&br;・エキシカータ標本の発行と交換
これまでに42集が発行されている(1970–2021).継続して発行を行い,国内外の機関との交換によってコレクションの充実を図る.
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&br;これまでに42集が発行されている(1970–2021).継続して発行を行い,国内外の機関との交換によってコレクションの充実を図る.
・タイプ標本の確認・登録
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&br;・タイプ標本の確認・登録
寄贈標本を中心にタイプ標本に相当する標本が複数存在しており,タイプ・ステータスを確認するとともにタイプ標本としての登録を進め,コレクションの利用価値を高める.
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&br;寄贈標本を中心にタイプ標本に相当する標本が複数存在しており,タイプ・ステータスを確認するとともにタイプ標本としての登録を進め,コレクションの利用価値を高める.
・日本産蘚苔類のDNAバーコード情報の蓄積
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&br;・日本産蘚苔類のDNAバーコード情報の蓄積
日本産蘚苔類のDNAバーコード情報を蓄積し,分子情報を用いた蘚苔類の種同定,遺伝的多様性把握を推進する.
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&br;日本産蘚苔類のDNAバーコード情報を蓄積し,分子情報を用いた蘚苔類の種同定,遺伝的多様性把握を推進する.
  
 
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2022年3月11日 (金) 12:00時点における版

ヒコビアミニレター No. 533(2022年03月11日)

 2021年12月4日(土)の第656回植物観察会は,2021年度第23回ヒコビアセミナ-を兼ねて,勉強会として「Zoomミーティング」を用いたオンライン形式で行われた.参加者はxx名.天気は雨のち晴れ.13時開場,13時30分からヒコビア会の山口会長の挨拶の後,セミナ-を開始した.発表は4題あり,前半は「広島県に自生する薬用植物と効用」(吉本悟),「海浜植物イソスミレに関する生態学的研究」(黒田有寿茂)について発表があった.10分間の休憩をはさんで,「宮島で行われている緑化事業について―2018年豪雨災害後の現状―」(坪田博美),「国立科学博物館の蘚苔類コレクションと今後の取り組み」(井上侑哉)について発表があった.

(S. Uchida & H. Tsubota 記)

要旨

広島県に自生する薬用植物と効用

吉本悟

海浜植物イソスミレに関する生態学的研究

黒田有寿茂

宮島で行われている緑化事業について―2018年豪雨災害後の現状―

坪田博美

国立科学博物館の蘚苔類コレクションと今後の取り組み

井上侑哉
国立科学博物館のハーバリウム(TNS)は1877年を設立年とし,維管束植物・コケ植物・菌類・地衣類・変形菌類・藻類について標本資料を収集し,これらの資料をもとに分類学を中心とする生物多様性にかかわる調査研究や展示・学習支援を行っている.現在TNSには約200万点の標本資料が収蔵されている.本発表ではこのうち蘚苔類コレクションについて概説するとともに,標本資料を活用した今後の取り組みについて説明する.

蘚苔類コレクションの概要  現在TNSには約24万点(タイプ標本約1400点を含む)の蘚苔類標本が収蔵されている.これらの標本は当館職員により収集・交換等によって国内外から集められたものと,当館に寄贈されたものが中心となっている.国立科学博物館の蘚苔類コレクションの特色は,飯沼慾斎の草木図説のもととなった標本や,日本の蘚類フロラの解明に重要な役割を果たした笹岡久彦によって1900年代初頭に収集された約1万点の標本など歴史的にも価値の高いコレクションを含んでいることである.その他,永野巌,長田武正,斉藤亀三,渡辺良象等の個人コレクションやニューギニア,南米,ヒマラヤなどの地域コレクションが収蔵されている.タイプ標本や個人コレクション,地域コレクションの一部を除いた一般標本はセン類・タイ類・ツノゴケ類の別に学名のアルファベット順で配列され木製の引き出し式キャビネットに収められている.各標本は国立科学博物館の統合データベースへの登録も進められており,国内産で種まで同定された標本を中心に約10万点の標本情報が公開されている.

今後の取り組み &br;・調査研究による標本資料の収集 &br;総合研究で進められているミャンマーなどのコレクションの充実を図り,各地の生物多様性解明に資する. &br;・エキシカータ標本の発行と交換 &br;これまでに42集が発行されている(1970–2021).継続して発行を行い,国内外の機関との交換によってコレクションの充実を図る. &br;・タイプ標本の確認・登録 &br;寄贈標本を中心にタイプ標本に相当する標本が複数存在しており,タイプ・ステータスを確認するとともにタイプ標本としての登録を進め,コレクションの利用価値を高める. &br;・日本産蘚苔類のDNAバーコード情報の蓄積 &br;日本産蘚苔類のDNAバーコード情報を蓄積し,分子情報を用いた蘚苔類の種同定,遺伝的多様性把握を推進する.


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